話し方教室(東京)「『司会』が怖くなくなる司会進行のコツ!」

司会のタイプと役割

みなさんは、今まで司会を経験されたことはありますか?
もしかして、結婚式の披露宴で司会を任されて、この記事を読んでいる方がいるかもしれませんね。

テレビで司会(MC)の様子を見ていると、単に出演者とおしゃべりをしているだけ、のようにも見えます。

しかし、司会には出会って間もないゲストから素顔を引き出し、視聴者にとって満足度の高い番組をつくるという役割もあるのです。
実は、司会には2つの種類があることを知っておいてください。

一つは、行事やイベント、番組などの司会。もう一つは、会議などの司会です。前者はMC、後者はファシリテーターと呼ばれることがあります。どちらの司会も役割は、「進行管理」です。

でも、その中身が違います。MCの進行管理は、つつがなくイベントを進めることです。一方、ファシリテーターの進行管理は、多種多様な発言をまとめゴールに導くことになります。

司会に求められる役割をきちんと理解しておくことはきわめて大切です。そうすれば、準備次第で、あがり症の人でもうまくできるようになります。

では具体的に、どのようなポイントに気をつけていけばよいかをご紹介しましょう。

会議司会者(ファシリテーター)に求められる司会スキル

まず、ファシリテーター司会について。その役割は、多種多用な発言をまとめゴールに持っていくこと、という話をしました。これに必要なのが”情報をデザイン”する能力になります。

経験がある人は分かるかもしれませんが、会の進行はアジェンダ通りに進むということは、あまりありません。予想外の進行をする会議ほど、得るものが大きかったりしますから、初心者には難しいものです。

ファシリテーターは、常に、会議がどのような段階にきているかということや、議論のポイントを理解している必要があります。またしばしば、当面の進め方を会議の方向性として示すことも求められるのです。

それらの力が、情報をデザインする能力なのです。

MC司会者の司会スキル

続いて、MC司会について。日本で有名なMCの一人にタモリさんがいます。タモリさんは、多くのレギュラー番組で司会を務めていますが、相手の話を引き出すのがうまい司会者の一人です。

では、どのような工夫があるのでしょうか?タモリさんの話術のうち、聞き上手に関係が深いのは「ストックスピール」というテクニックです。

ストックスピールとは、誰にでも当てはまるようなことがらを、あたかも相手の心を読んで言っているように思わせる話術です。

たとえば「あなたは信頼していた人から裏切られたことがありますね?」という質問です。「なんでわかるの!?」と、驚く人もいるかもしれません。でもよく考えれば、誰にでも当てはまることだったりしますよね。

この話し方は、人間の心理を実にうまくついています。人は普段他人に見せていない部分を言い当てられると、自分のことをよく見ているな~と、感じてしまうものです。

このテクニックをつかえば、相手との距離を縮めることができます。タモリさんも、相手との信頼関係を築いた上で、ゲストの知られざる素顔をうまく引き出していたのですね。お見事。

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