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No.15 『こだわり』

 入梅の候となりました。皆さん、お元気ですか。
 ちなみに「入梅」や「梅雨」とは、ちょうどこの時期に「梅の実が熟す」ところからきているそうです。ご存じでしたか?

 この時期、食中毒には気をつけなければなりませんね。鮮度の良いものを食べたいものです。
 ところで、私は喰いしん坊で、うまい物には、からっきし目がありません。「うまい物を食べる」、これは幸福の重要な条件の一つと強く信じています。

 少し前に、「壱岐(いき)」(長崎県に属する島です。交通は福岡からジェットフォイル・高速船を利用するのが便利で、1時間ちょっとで着きます。)に行ってきました。
 「島」に行けば、食すは当然「魚」ということで、地元で良く知られた料理屋さんに開店時間に訪れた時のことをご紹介します。

 1時間半ほど、たらふく地魚とおいしいお酒を食らっておりました。厨房の奥に、生のタコが見えましたので「タコ刺し」を注文したのですが、そのときの会話です。


:  「タコ刺しくださ~い。」(視線は厨房の奥のタコに送っている)
店主
(私の視線の先に、目をやり)「このタコは今朝捕ったタコですから、刺し身ではだせませんねぇ。」




 「ポカ~ン?」(頭の中で独り言:「朝捕ったのなら、刺し身OKじゃない。なんで、だせないの?」)

― 少し、間があいて ―
店主
 「午後に捕ったものならともかく、朝どりのものを夕方に、刺し身として出すのは気がひけて・・・。」

またまた「ポカ~ン?!」(いや、すごい!まいりました。店主のこだわりに脱帽です。)
 
それでタコ刺しはあきらめたのですが、決して悪い気分はしませんでした。どうせやるなら、ここまでこだわってほしいとさえ思ったくらいです。
 
 そこで、酔った勢いも手伝って、よせばいいのに、ついつい「壱岐は意気だねぇ。」などとオヤジ・ギャグを口走ってしまった一夜でした。
 でも、ほんと、イキなお店です。食中毒とは無縁の、アッパレなお店でした。

酒 井 美 智 雄

  • 2004年6月01日

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