「他部署との連携が劇的に変わる!話し方教室直伝・管理職のための話し方・伝え方の秘訣」(じっくり教養 話し方教室東京)
管理職の役割は、自部署の成果を出すだけではありません。会社全体の目標を達成するために、他部署と連携しながら進める調整力や交渉力が欠かせません。
ところが現場では、「他部署との意思疎通がうまくいかない」「依頼が伝わらない」「調整が長引く」といった課題が多く見られます。こうした問題を解決する鍵は、管理職の話し方と伝え方にあります。
今回は、他部署連携をスムーズにするためのポイントをご紹介します。
1.相手部門の立場を理解して伝える
相手目線の言葉選びを
他部署は自部署と異なるKPIや目標を持っています。営業部にとっての「数字」は至上命題ですが、開発部にとっては「品質」や「納期」が優先されるかもしれません。こうした事情を無視して一方的に自分の要望を押し付けると、「また自己都合で言ってきた」と反発を招きます。
大切なのは「相手目線での言葉選び」です。自分の部署の都合を前面に出すのではなく、「この取り組みは御部門の効率化にもつながります」といった、相手の価値観に即した表現を心がけることも大切です。
大きな共通の目的を提示する
他部署との関係は“私とあなた”の二者関係ではなく、“私たち”としての共通目的に基づく関係です。「このプロジェクトは会社全体の収益に直結する」「顧客満足度を高めるために必要だ」といった大きなゴールを先に共有することで、協力の姿勢が生まれます。
共通の目的を先に伝えることで、相手を巻き込みやすくなるのです。
2.簡潔に分かりやすく伝える
結論→理由→補足の順で伝える
他部署とのやり取りでは時間が限られています。前置きが長い説明は理解を妨げ、相手に「結局何が言いたいのか?」と不信感を与えかねません。「結論先行型」の話し方を実践することです。
たとえば「○○の納期短縮が必要になりました。理由は顧客の要望変更によるものです。対応策として〜を検討していますのでご協力をいただけませんか」と伝えると、相手はすぐに把握できるでしょう。
説明と資料は一致させる
口頭での説明と資料の内容が一致しないと、他部署は「どれが正しいのか」と迷います。言葉と視覚情報は一致させてください。
たとえば、「こちらのスライド2枚目をご覧ください」「表の右列が今回の追加コストです」と具体的に指し示すことで、口頭と資料のギャップをなくし、理解のスピードを上げられます。
3.対話で合意形成を目指す姿勢が大事
一方的説明でなく相手の意見も聞く
一方的な説明は、相手の誤解や不満を残したまま終わる危険性があります。そこで「双方向のやり取り」が大事です。「ここまででご不明点はありませんか?」「この点について何か問題となることはありませんか?」と確認を挟むことで、相手の意見を拾いながら進められます。
これにより、相手は「尊重されている」と感じ、協力的になるものです。
期限を明示、合意形成のために妥協も
他部署調整の難しさは、利害の完全一致が難しいことにあります。だからこそ、最初から「妥協点」を想定して話すことは重要です。
たとえば、「この部分は譲歩しますので、その代わり納期は守っていただけませんか」といった譲歩を示すことで、相手も歩み寄りやすくなります。
さらに「本日中に方向性を確定したいと思いますがいかがでしょうか」「来週の会議までに一次合意を得ることでどうでしょうか」と期限を区切ることで、話は前進するものです。
話し方教室の視点/酒井学院総長の一言
管理職の役割には、情報の仲介者にとどまらず、他部署との橋渡し役として成果を最大化することも含まれます。そのためには、相手の立場を理解する力、わかりやすく伝える力、合意形成する対話の力、つまり確固たるコミュニケーション能力が不可欠になるのです。
リーダー、管理職は、リーダーシップコミュニケーションに投資することが必要です。もし、会社がやってくれなければ、自分でやるしかありません。
リーダーシップコミュニケーションを早期に磨いてください。そうすることで、部門間の壁を超えて、組織全体を動かすリーダーへと成長していけます。
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