話し方教室東京 教養講座-情報を詰め込みすぎたプレゼンテーションはメッセージが伝わらない!

ビジネスプレゼンテーションはワーキングメモリーに訴えること

「ファースト カンパニー」では、ビジネスプレゼンテーションにおいて、聞き手の興味・関心を引き付けるには、ワーキングメモリーに訴え掛けることが求められると説明している。

ビジネスプレゼンテーションとワーキングメモリーには、深い関連性があるという。

プレゼンテーションは「情報伝達」「説得」を目的とするが、とりわけ、ビジネスプレゼンテーションにおいて、聞き手に対して一連の情報を伝達したうえで、理解や共感を促し、行動変容に繋げるには、ワーキングメモリーが重要になるという。

ワーキングメモリーは情報を処理・整理して記憶する

ワーキングメモリー(作業記憶)とは、認知心理学において、作業および動作に必要な情報を一時的に記憶・処理する能力と定義される。会話、読み書き、計算など日常の活動に関与している。

ただし、ワーキングメモリーと短期記憶は異なる。短期記憶は比較的短い期間のみ保持される記憶であり、情報の貯蔵機能が重視される。情報を処理・整理することなく、少量の情報を一時的に保持する。一方、ワーキングメモリーでは、情報の処理機能が重視される。情報を処理して整理したうえで記憶する。

情報が詰め込まれただけのプレゼンは、聞き手の情報処理を妨げる

ワーキングメモリーの容量は非常に少なく、保管できる情報量には限りある。それゆえ、プレゼンテーションでは、聞き手が一度に、短時間で処理できる情報量を意識する。

情報量が多いと、聞き手の認知的負荷が大きくなり、情報を処理・整理して記憶できない。つまり、聞き手の理解を得られず、話し手のメッセージは正しく伝わらない。

例えば、プレゼンテーションの項目が多い場合、類似した項目が存在すると考えられる。そこで、同じような項目や似たような項目は一つにまとめ、情報を整理する必要がある。

情報がただ詰め込まれただけのプレゼンテーションでは、聞き手の情報の処理機能を妨げる。情報を明確に提示することで、情報は聞き手の脳内に存続できる。

また、人は忘れる生き物であり、時間の経過に伴い記憶したことを忘れていく。したがって、過去のプレゼンテーションや類似したプレゼンテーションなどを引き合いに出すと、ワーキングメモリーを妨げ、自分のプレゼンテーションに対する印象が弱まり、記憶に留まりにくい状況も起こり得る。

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