「”課長になる前に”身に付けておきたい”プレゼンテーションの技術”」(じっくり教養 話し方教室東京)


「課長になったら、プレゼンテーションの機会が急に増えた」。そんな声は珍しくありません。

課長になると、自分の仕事を説明するだけではなく、上司への提案、会議での報告、部下への方針説明、他部署との調整など、「相手を納得させ、人を動かす」役割が増えてきます。

プレゼンテーションの技術は、課長になってから慌てて学ぶのではなく、課長になる前に身に付けておきたいビジネススキルの筆頭です。

今回は、”そろそろ課長”という人が身に付けるべきプレゼン技術をご紹介します。

1.伝わるプレゼンの「構成力」を身に付ける

伝わるプレゼンテーションの基本は、流暢に話すことよりも、「何を、どの順番で伝えるか」を整理することにあります。

結論から話す

ビジネス・プレゼンでは、まず結論を明確にする必要があります。「私からの提案は○○です」「結論から申し上げると、○○が必要です」このように最初に結論を示すことで、聞き手は話の全体像をつかみやすくなります。

話法のフレームワークの一つにPREP法というものがあります。これは「結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→結論(Point)」の順番で話すことです。要点を整理して短く伝えるためには有効なスキルです。

聞き手視点で話を構成する

プレゼンでありがちな失敗は、自分が話したいことを一方的に並べてしまうことです。しかし、大切なのは聞き手視点です。

プレゼンを準備するときは、「相手は何を知りたいのか」「相手に何を判断してほしいのか」「最終的にどう行動してほしいのか」を考えます。

例えば上司への改善提案なら、現状の説明だけでは不十分です。「何が問題なのか」「なぜ改善が必要なのか」「どう改善すべきか」「そうすることで、どんなメリットがあるのか」まで明確にすることで、説得力あるプレゼンになるのです。

2.説得力ある「話し方・伝え方」を身に付ける

内容が優れていても、声が小さく、早口で、資料ばかり見て話していては説得力は弱くなります。管理職になる前に、話し方そのものも磨いておくべきです。

声・視線・表情・姿勢を整える

プレゼンテーションでは、言葉だけではなく、非言語コミュニケーションも重要です。少し大きめの声で、ゆっくり、はっきり話す。聞き手に視線を向ける。背筋を伸ばし、落ち着いた姿勢で話す。そして、重要な言葉の前後には「間」を取る。

例えば、「今回、最も重要なポイントは……コスト削減ではありません」と一拍置けば、聞き手の注意を引きつけられます。声、視線、表情、姿勢、間を整えることで、「この人の話なら聞いてみよう」という信頼感が生まれます。

聞き手と対話する

プレゼンでスライドの文章をそのまま読み上げてはいけません。資料はあくまで話を補助するものです。情報を詰め込みすぎず、1枚のスライドで伝えるメッセージを絞ります。

そして、時には「皆さんはどう思われますか?」と問いかけたり、具体例やストーリーを交えたりする。こうした工夫によって、一方的な説明から「聞き手を巻き込むプレゼンテーション」に変わります。

3.本番で「失敗しないプレゼン力」を身に付ける

プレゼンテーションは知識だけ増やしても上達しません。スポーツと同じように、実際に声を出し、繰り返し練習することが重要です。

リハーサルを繰り返す

本番で緊張する人は、リハーサルを徹底してください。実際に立って最初から最後まで声に出し、時間を計測します。スマートフォンで録画すれば、早口、声量、視線、姿勢、無意識の口癖なども確認できます。

冒頭は大切ですので、「最初の30秒」を繰り返し練習しておくことで、本番でも落ち着いてスタートしやすくなります。もちろん、緊張はするでしょう。それは当たり前です。「緊張しても話せる状態」を練習によってつくっておくことが大切なのです。

質疑応答まで準備する

課長に求められるプレゼン力では、質疑応答も重要になります。そこで、事前に「上司なら何を質問するか」「反対意見はどこから出るか」「数字の根拠を聞かれたらどう答えるか」を考え、想定質問を準備しておきます。

質問されたら慌てて答えず、一呼吸置きます。そして「ご質問は○○ということでよろしいでしょうか」と確認し、「結論→理由→補足」の順で簡潔に答えます。

質疑応答を含めて相手の疑問や不安を解消できれば、プレゼンは単なる「説明」から「納得と行動を生み出すコミュニケーション」へと変わります。

話し方教室・専門家の視点/酒井学院長の一言

課長になると、プレゼンテーションは特別なイベントではなく、日常の仕事になります。ですから、課長になってからプレゼン力を身に付けるのではなく、課長になる前から鍛えておくこと。その準備が、管理職としての仕事をしやすくしてくれるからです。

ちなみに、プレゼンテーションの目的は、上手に話すことではありません。相手に理解してもらい、納得してもらい、最終的に行動してもらうことにあります。

そのためには、上述したポイントを意識して訓練をすることです。話の構成ができたら、なるべく早く「話す→振り返る→改善する」を繰り返すことが肝心です。そうすることで、あなたのプレゼン技術も大きく向上していきます。

日本コミュニケーション学院 創設者・学院総長 酒井美智雄

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