「なぜ話がこじれるのか?話し方教室が教える”無駄な衝突を避ける”コミュニケーションの基本」(じっくり教養 話し方教室東京)

「ただ意見を言っただけなのに、なぜか雰囲気が悪くなった」「話し合いをするたびに関係がこじれる」——職場や人間関係でこうした経験を持つ人は少なくありません。
話がこじれる原因は、内容の是非ではなく、話し方や伝え方にあるケースが大半です。今回は、こじれないコミュニケーションの基本原則について解説します。
1.話がこじれる原因は「伝え方」にある
人を追い詰めれば話がこじれる
話がこじれる場面では、「正しいことを言っている」という意識が強く働いています。しかし正論をそのままぶつける話し方は、相手に否定された印象を与えやすく、防衛反応を引き起こします。
正しさを主張する前に「相手がどう受け取るか」を考えることがとても重要です。正論が衝突を生むのは、内容よりも、伝え方に配慮が欠けているからなのです。
感情と言葉が結びつけば話がこじれる
苛立ちや不満を抱えたまま話すと、声のトーンや言葉選びに感情が表れます。本人は冷静に説明しているつもりでも、相手には攻撃的に聞こえ、対立が深まります。
話がこじれる最大の要因は、感情と言葉が結びついてしまうことにあります。無駄な衝突を避けるためには、感情を整理してから話す姿勢が欠かせません。
2.無駄な衝突を避ける話し方・伝え方の基本
「あなた」+「否定語」を避ける
「あなたは間違っている」「(あなたは)なぜできないのか」といった表現は、相手を責める印象を与え、話をこじれさせます。そこで重要になるのが「私」を主語にした「アイ・メッセージ」で伝えることです。
たとえば、「私はこう感じた」「私はこう考えている」と話すことで、意見の違いを対立ではなく共有として扱えます。主語を変えるだけで、衝突のリスクは大きく下がるのです。
結論から話すことはビジネスの王道だが・・
話がこじれる人に共通するのが、いきなり結論や指摘から入る話し方です。相手は理由が分からないまま否定されたと感じ、心を閉ざします。
ビジネスでは、結論から話すことが王道ですが、衝突を避けるコミュニケーションでは、「背景→理由→結論」という順序が大切です。納得できるプロセスを示してから結論を述べることで、相手は冷静に話を受け止められます。
3.そもそも対話のあるベき姿勢とは
否定せずに「一度受け止める」
意見が違うと、すぐに反論したくなる人がいます。これは大人げない姿勢です。「そういう考え方もありますね」と一度受け止めることが、あるべき姿です。そうすることで、相手は安心し、対話が成立するのです。
先ずは受け止めること。そのあと反論があるなら、「一方で、こういう考え方も成り立ちませんか」と伝えればよいのです。
対話の目的意識を共有する
話がこじれる場面では、無意識に相手を論破しようとするものです。しかし、対話の目的は勝つことではなく、課題や問題解決を前に進めることにあるはずです。
「この話し合いの目的は、どうすればもっと良くなるかにあります」という対話の目的を言葉にするなら、対立は協力へと変わります。目的意識を共有する話し方は、無駄な衝突を防ぎます。
話し方教室の視点/学院創業者・酒井学院総長の一言
世の中には喧嘩好きがいます。何か言われればすぐに反論、論破したがるやからです。この人達は、自分の優秀さを誇示したいのか、とにかく、やたらに反論してきます。
彼らにとって残念なことに、ビジネスの対話や話し合いの目的はそもそも課題解決・問題解決にあることです。喧嘩するためにあるのではありません。
そこで、心あるビジネスパーソンの皆さんは、上述した対話のあるべき姿を心に留め置き、極力ムダな衝突を避ける話し方を磨いていってください。そうすることで、意味のある効果的なコミュニケーションが可能になり、豊かな人間関係も築いていけますから。
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