「チームを動かす会議術|話し方教室が教える”成果を生む”会議の進め方」(じっくり教養 話し方教室東京)

「会議を開いても意見が出ない」「話し合ったのに結論が出ない」「決めたはずなのにメンバーが動かない」。こうした悩みを抱える管理職やリーダーは少なくありません。
チームを動かす会議に必要なのは、司会者が一方的に話すことではありません。重要なのは、目的を共有し、参加者の発言を引き出し、議論を整理し、合意形成から具体的な行動につなげるファシリテーションです。
今回は、成果を生む会議、つまり、チームが主体的に動き出す会議術を解説します。
1.会議の「目的とアジェンダ」を明確にする
成果を出す会議の第一歩は、「何のために集まるのか」を明確にすることです。目的が曖昧なままでは、情報共有、意見交換、問題解決、意思決定が混在し、議論が脱線しやすくなります。
会議の冒頭で「目的・ゴール」を共有する
司会者・ファシリテーターは、会議の最初に「目的」「ゴール」「時間」を簡潔に伝えることです。例えば、「今日の会議では新商品の販売方法を決定します。60分で意見を出し、最後の10分で担当者と期限まで決めます」と宣言します。
これだけで参加者は「今日は何について考え、何を発言すればよいのか」が分かります。会議の目的とゴールを最初に共有することは、議論を整理し、生産性を高める基本です。
アジェンダと論点を事前に共有する
効率的な会議には準備も欠かせません。
「現状確認→課題整理→意見交換→意思決定」というようにアジェンダを組み、参加者に事前共有します。必要な資料も先に渡しておけば、会議を「資料を読む時間」ではなく「考え、話し合い、決める時間」にできます。
特に大切なのは、議論すべき論点を絞ることです。テーマが広すぎる場合は、「今日は何を話し、何は話さないのか」を明確にする必要があります。
2.会議の活性化!多様な意見を引き出し収斂していく
チームを動かす会議では、リーダーがたくさん話す必要はありません。むしろ重要なのは、メンバーに話してもらうことです。ファシリテーションでは、参加者の意見を引き出し、安心して発言できる場をつくるコミュニケーションが求められます。
質問で多様な意見を引き出す
「何か意見はありますか?」だけでは、発言はなかなか増えません。そこで、「現場ではどんな問題がありますか?」「お客様の立場ならどう感じますか?」「別の視点から見るとどうでしょう?」と具体的に質問します。
また、発言が一部の人に偏ったら、「○○さんはどう考えますか?」と話していない人に促します。こうした質問によって多様な意見が集まり、参加者に「自分も会議をつくっている」という当事者意識が生まれます。
色んな意見を出し合い良い答えに導く
意見を引き出すには、発言を受け止める姿勢が大切です。相手の話を遮らず、うなずきや相づちを入れ、「つまり○○ということですね」と要約して返します。反対意見が出ても、すぐ否定するのではなく、まず理由を聞きます。
ファシリテーターが積極的に聞き、理解を示すことは、発言しやすい雰囲気づくりにつながります。
会議で大切なのは「誰が正しいか」を決めることではなく、異なる意見も出しやすくすることです。そして、その上で、より良い答えをつくることにあります。
3.アクションプランを定めて、実行してこそ会議である
活発に意見が出ても、それだけでは成果の出る会議とは言えません。最後に必要なのが、論点整理→合意形成→意思決定→行動への転換です。
議論を要約し合意形成をはかる
話が広がったら、司会者は途中で整理します。「ここまでの意見はA案とB案に分かれています」「共通している課題は○○ですね」と要約すれば、参加者は現在地を確認できます。
議論が脱線した場合も、「今日の目的に戻りましょう」と軌道修正します。意見を整理し、比較すべき論点を可視化することが、合意形成を促すファシリテーションの重要な役割です。
「誰が・何を・いつまでに」やるかを決める
会議の最後には、決定事項を具体的なアクションプランを定めます。たとえば、「営業部のAさんが提案書を作成し、金曜日までに共有する」というように、誰が・何を・いつまでに行うのかを明確にします。
そして終了前に、「本日の決定事項は○○です。次回までの行動は○○です」と確認します。
会議のゴールは「話し合うこと」ではありません。会議後にチームが動き出すことです。担当者と期限まで明確にして初めて、会議の成果が仕事の成果につながっていきます。
話し方教室・専門家の視点/酒井学院長の一言
良い会議とは、リーダーが上手に話す会議ではありません。メンバー一人ひとりが考え、発言し、納得し、「自分たちで決めたから動こう」と思える会議なのです。
「会議に問題がある」日頃そう思っている管理職の皆さん、会議を変えたいなら、まず次回の会議で「はじめに目的と流れを話す」「異なる意見をキチンと受け止める」「会議の最後にやるべきことを決定する」この3点を実施してみてください。会議の質とチームの動きは大きく変わっていくはずですよ。
日本コミュニケーション学院 創設者・学院総長 酒井美智雄
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