「スピーチを1から学び直す|話し方教室が教える”伝わる話し方”の基本」(じっくり教養 話し方教室東京)


「人前で話すのが苦手」「スピーチになると緊張して頭が真っ白になる」「何をどう話せばよいのかわからない」。そんな悩みを持つ人が多くいます。

しかし、スピーチは一部の「話が上手い人」だけのものではありませんので、ご安心ください。大切なのは、基本となる構成・伝え方・練習方法を身につけることです。

今回は「スピーチを1から学び直す」と題して、伝わるスピーチの基本を解説します。

1.スピーチでは「何を伝えるのか」を明確にする

メッセージを一つに絞る

スピーチで最初に考えるべきなのは、「何を話すか」よりも**「聞き手に何を伝えたいか」**です。

初心者によくある失敗が、情報を詰め込みすぎることです。伝えたいことが4つ、5つ、6つと増えていけば、聞き手には「結局、何の話だったっけ?」という印象が残ります。

そこで、まずは一つのテーマには、一つのメッセージにすることです。例えば朝礼で「仕事の失敗から学んだこと」を話すなら、「確認する習慣がミスを防ぐ」というように、最後に伝えたいメッセージを一文にします。

スピーチは単なる情報の提供ではありません。事実や体験に、自分が伝えたいメッセージを加えることで、聞き手の印象に残る話になるのです。

構成はシンプルに組み立てる

スピーチの構成は、複雑に考える必要はありません。たとえば、導入 → 展開 → 結びの構成があります。これは、導入では「今日は○○についてお話しします」とテーマを示します。

展開では背景や具体例、エピソードを伝えます。さらに、「だから私は○○が大切だと考えています」とメッセージを明確にします。そして、結びで大切な点を強調してまとめます。

スピーチは、シンプルな構成が有効です。1分スピーチでも3分でも、または、10分でも、聞き手が話の流れを追いやすいのがシンプルな構成です。

2.スピーチでは「伝え方」を意識する

わかりやすい言葉と具体例で伝える

スピーチで大切な点は、話し手が「流暢に話すこと」ではなく、聞き手が内容を理解できることです。そのためには、難しい言葉や抽象的な表現をできるだけ避け、誰にでもわかる言葉で伝えることを意識する必要があります。

例えば、「仕事ではコミュニケーションが重要です」と言うだけでは、内容が抽象的で印象に残りにくいものです。そこで、「先日、確認のひと言を忘れたために、仕事のやり直しが発生しました」のように、具体的なエピソードや体験談を加えます。すると、聞き手は場面をイメージしやすくなり、話の内容にも興味を持ちやすくなります。

「何を言えば立派に聞こえるか」ではなく、**「どう言えば聞き手に伝わるか」**を考えること。それが、伝わるスピーチの基本です。

聞き取りやすい声と間・視線を意識する

同じ内容でも、話し方によって伝わり方は大きく変わります。そこで重要になるのが、声の大きさ、話すスピード、間、表情、姿勢、視線です。

初心者は、緊張すると早口になりがちです。意識してゆっくり話し、大切な言葉の前後に「間」を取ってください。また、聞き手に視線を配ることで、「あなたに話しています」というメッセージが伝わります。

上手に話そうとするより、相手が聞き取りやすい話し方をすること。これが伝わるスピーチの基本です。

3.スピーチ力向上には「練習」が欠かせない

声に出して練習を繰り返す

スピーチ上達に欠かせないのが、実際に話してみる練習です。原稿を何度読んでも、それだけでは本番の練習にはなりません。立った状態で声を出し、時間を計りながらリハーサルすることです。

スマートフォンなどで録音・録画すると、早口、声の大きさ、口癖、姿勢、視線、不要な言葉などを客観的に確認できますからお勧めです。

もちろん、スピーチ時間を計りながら、制限時間内で終えられるように練習してください。

緊張・あがり症は練習で克服する

「緊張しないようにしよう」と思えば、かえって緊張するものです。大切なのは、緊張をゼロにすることではありません。緊張していても話せる状態をつくりあげることです。

そのためには、単独練習に加え、可能なら少人数の前で話す、会議で短く発言するなど、段階的に人前で話す経験を積むことが効果的です。小さな成功体験を積み重ねることで、「緊張しても話せる」という感覚が育っていくのです。

話し方教室・専門家の視点/酒井学院長の一言

人前で堂々と話せる人も、最初からスピーチが上手だったわけではありません。構成を学び、声に出して練習し、人前で話す経験を重ねることで、スピーチ力を磨いてきたのです。

皆さんが、スピーチを1から学び直すなら、まず押さるべきポイントは3つです。

①メッセージを絞り、構成をシンプルにする。
②分かりやすい言葉、聞き取りやすい声で話す。
③練習は実践的に、緊張しても話せる状態をつくる。

スピーチで重要なのは、流暢に話すことでも、難しい言葉を使うことでもありません。「誰に、何を、なぜ伝えるのか」を明確にし、聞き手に届く言葉で伝えることです。

まずは、小さな一歩を踏み出してください。その延長線上に、”人前で、自信を持って、堂々と話すあなた” がいるのです。

日本コミュニケーション学院 創設者・学院総長 酒井美智雄

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