話し方教室・学院総長のコラム「蕎麦と日本酒」

私がまだ若かりし20代の頃、神田の蕎麦屋で、そばをつまみにチビチビと日本酒を楽しんでいるお年寄りを見かけたことがあります。 その時、なぜだか「粋だなぁ」と感じてしまい、以来蕎麦を食べる時、私はしばしばそのお爺さんを思い出すようになりました。

その神田の時から、もう随分の時間が流れました。そして今では、そばをつまみに日本酒を楽しんでいる自分自身がいるのです。

私のこだわりを少し。

まず、蕎麦(盛りそば)が断トツに旨いことが絶対条件です。麺は蕎麦粉だけで打った十割そばよりも、つなぎを少し使ったニハ(にはち)そばを好みます。こしがあるからです。

お酒は北国の名酒に限る。ただいまのところ山形の名酒「出羽桜」がイチ押し。ほかのお酒も色々試したのですが、出羽桜の冷や、これが旨いそばに一番よく合う。

そして幸いにも、私のこだわりを満たしてくれるお店が、私の住まい(東京)の近くにあります。小松庵・総本家というお店です。

このお店は、うまい!を越えて、う〜ん、うまぁ〜と、しみじみと至福の時間を私に与えてくれているのです。

さてさて、私が蕎麦と日本酒を楽しんでいる風景は、はたして、あのお爺さんのように、「粋」に映っているのかどうか・・・。

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