話し方教室「より良い会議を行うために必要なのは、議論?討論?」

「議論」と「討論」を区別する

一般によく間違われて使われている言葉が、「議論」と「討論」です。「議論」というのは、意見を出し合い、結論を導きだすことだと考えていただければよいでしょう。

一方、「討論(ディベート)」は、話し合いを「試合」のようにして勝敗をつけるもの、と考えていただいてよいでしょう。あがり症の人は「討論なんてできないよ!」となるかもしれませんね。

でも、皆さんご安心ください。

ビジネスシーンにおいては、討論の必要性はあまりないのです。ビジネスの会議や打合せの席では、「自らの意見を押し通すために相手を言いくるめる」ことに価値を見出しません。

ビジネスでは、衆知を集めてよりよいアイデアや解決策を出し合う。そして、会社にとってよりよい案を採択することが会議・打合せの目的になります。

つまりビジネスシーンでは、討論ではなく、「議論する」ことが中心ということです。

良い議論は価値観を調和、昇華させる

ご参考に、よりよい議論をするための考え方をご紹介しておきましょう。

実際の会議の場で、異なる「価値観」が対立するということは、ままあります。

例えば、本社サイドでは「高品質な製品づくりを追求する」という価値観があるとしましょう。一方で現場サイドに、「品質よりも、顧客ニーズに対してもっと柔軟であるべき」という主張があったりします。

ここで「良い議論」とは、どちらかの主張を相手に納得させようとすることではありません。調和、あるいは、昇華させるのがミソになります。

上記の例なら結論として、「高品質な製品づくりは、我社としては譲れない。しかし、顧客ニーズを無視した品質づくりは無価値であるのも事実」。

だから、「我社は、顧客ニーズに対いてもっと柔軟に対応しながら、高品質を追求していくべきだ」という新たな価値観を見出すのです。

これは決して二つの価値観を折衷させたものではありません。昇華したというべきでしょう。あるいは、「価値観が進化した」ということになるでしょう。

ビジネスの会議では討論するのではなく、議論する

もちろん価値観の昇華や進化ということは容易なことではありません。しかし、議論の場において自分の意見を押し通すために相手を丸め込むことを考える必要はないのです。

ですから、「ビジネスの会議では討論するのではなく、議論する」こと。この認識を参加者が共有するだけでも、会議の質が今とは格段に違ってくると思います。

©話し方教室の名門日本コミュニケーション学院東京 入門・プレ講座 スタッフ委員会/会議運営/学院総長監修