「傾聴力を伸ばすには?話し方教室が教える聞く力の基本と練習法」(じっくり教養 話し方教室東京)


ビジネスや日常生活のあらゆる場面で必要とされるのが**傾聴力(アクティブ・リスニング)**です。人前で自信を持って話すスキルを持っていても、もし、相手の話をきちんと聴かなければ、信頼関係は築けません。

「話す力」と「聴く力」は表裏一体といってよいでしょう。今回は、傾聴力を伸ばすために欠かせない「聞く力の基本」と「練習法」を解説します。

1.聴く姿勢を整える

傾聴力を伸ばすには、まず「聞く力」を支える姿勢づくりが欠かせません。聴く力とは単なる耳の使い方ではなく、相手に「あなたの話を尊重します」という態度を示すことから始まります。

相手の話を受け止める

これは、相手の発言を「正しいか間違っているか」で判断せず、そのまま受け止める姿勢を指します。安心して話せる環境を作ることが、本音や感情を引き出す第一歩です。

同時に、わからない点や曖昧な部分はその場で確認する。それが傾聴力を伸ばすための大切な練習です。

非言語要素を意識する

聞く力を発揮する際、言葉以外の要素もとても重要です。例えば、適度なアイコンタクトをとり、うなずきや「なるほど」「そうですね」といった相づちを自然に挟む。背筋を伸ばしてオープンな態度を保つ。

これらはすべて「あなたの話を真剣に聴いています」というメッセージになり、相手の信頼を高めます。

2.聴き方の技術を磨く

聴く姿勢が整ったら、次は具体的なテクニックです。傾聴力を伸ばすには、日常の会話で使える聞き方のスキルを意識的に取り入れることが効果的です。

傾聴を言葉で示す

相手の言葉をそのまま繰り返す「オウム返し」、要点をまとめて返す「要約」、感情を言葉にして返す「反映」。これらはすべて、話し手に「自分の話が理解されている」という安心感を与えます。

聞く力を鍛えるには、これらのことを習慣化するのが有効です。

ミラーリング・ペーシングで波長を合わせる

声のトーンや話のスピード、仕草や表情を適度に合わせることで心理的距離が縮まります。例えば、落ち着いた口調の相手には同じペースで返し、早口の相手にはテンポを合わせる。自然な範囲でリズムを揃えることで、相手は「この人は自分と波長が合う」と感じ、会話がスムーズになります。

これも日常で実践できるシンプルな練習法のひとつです。

3.傾聴力は日常の中でも磨ける

傾聴力を伸ばすには、知識を頭に入れるだけでなく、実際の会話で練習を積み重ねることが不可欠です。日常の会話こそ最高のトレーニングの場です。

話すを減らし聞くを増やす

会話の望ましい割合は「相手7:自分3」と言われています。特に相手が言葉を探して沈黙しているときに急いで口を挟まず、最後まで待つことが重要です。これは聞く力を伸ばすための大切な練習です。

要約で確認、質問で掘り下げる

相手の言葉を要約して「つまりこういうことですか?」と確認したり、「それはどういう意味ですか?」と掘り下げたりする。これにより誤解を防ぎながら、相手は「真剣に聴いてもらえている」と感じます。

適宜要約と質問をすることは、聞く力のトレーニングとして効果的です。

話し方教室の視点/酒井学院総長の一言

傾聴力を伸ばすことで、ビジネスでは誤解やミスが減り、教育現場では子どもの成長を支え、プライベートでは家族や友人との関係を豊かにできます。

傾聴力は、人間関係を良好にし、信頼を築くための基盤といえるものなのです。ですから、傾聴力を、単なる会話術と捉えると本質を見失います。

私は、ビジネスパーソンにスピーチやプレゼン技術を磨いて欲しいのはもちろんですが、それと合わせて、聞く力も、しっかり磨いて欲しいと思っています。それが、信頼される人間関係を築く近道なのですから。

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