「苦手な人との接し方の基本｜話し方教室が教える“ストレスを減らす対人コミュニケーション術”」（じっくり教養 話し方教室東京）

職場や日常生活では、誰しも「どうしても相性が合わない」「話すと疲れてしまう」と感じる**“苦手な人”**が存在します。しかし、社会で生きていくうえで、苦手な人を避けてばかりいることはできません。むしろ、苦手な相手とも適切にコミュニケーションを取れることこそ、信頼される大人の対人スキルでしょう。

本学にも、ビジネスパーソンから「苦手な上司との接し方がわからない」「価値観が違う同僚と話すのが辛い」「性格が合わない部下にどう接すればいいか」といった相談が寄せられます。

そこで今回は、苦手な人との距離感を保ちながら、ストレスを減らして前向きな関係を築く方法を解説します。

1.まずは苦手意識の正体を知る

苦手な人を前にすると、会話内容より先に感情が反応してしまうことが多くあります。しかし、感情に振り回されたまま接しても、関係は改善しません。最初に行うべきは、自分自身の感情を理解し、整理することです。

苦手な理由を客観視する

「何が苦手なのか」を紙に書き出すだけでも、感情が整理され、冷静になれます。たとえば、語調が強すぎる、自分の話ばかりする、否定的な言い方が多いなど。

このように事実ベースで認識することで、相手そのものではなく、相手のコミュニケーションスタイルが苦手であることに気づきます。

相手の意図や背景を想像してみる

苦手な相手の言葉を「攻撃」「否定」と捉えてしまうと、コミュニケーションは成立しません。

そこで、「いつも忙しそうだから短い返事になるのかもしれない」「厳しい言い方だが、成果への責任が強いのかもしれない」と視点を変えることで、感情の衝突も減り、冷静に対話できる余白が生まれるます。

2.無理に仲良くする必要はない

苦手な人と接するときにやりがちなのが、“仲良くならなければいけない”という思い込みです。しかし、ビジネスの目的は友達づくりではありません。必要な距離を保つことは、成熟したコミュニケーションなのです。

業務上のやり取りを淡々と行う

苦手な相手とは「必要な情報の共有」「成果の確認」など、目的を明確にしたコミュニケーションをすることです。雑談やプライベートを無理に広げず、業務的なやり取りを淡々と行えばよいのです。そうすることでストレスは大幅に軽減します。

期待値を下げ感情の消耗を避ける

「わかり合えなくても仕方ない」「価値観が違うのは当然」という前提で臨むと、衝突は大幅に減ります。相手を変えるのではなく、自分の期待値を調整することがストレスを減らす最も現実的な方法です。

3.無理に話さず聞き手に回る

苦手な人に対しては、話すより聞く力（傾聴）を使ったほうが関係は改善しやすいという研究結果があります。傾聴は、相手を受け入れるためではなく、自分を守りながらコミュニケーションを進める技術でもあるのです。

事実と感情を切り分けて聞く

相手の言葉をそのまま感情で受け止めると、すぐにストレスになります。しかし、「この人はこういう意見を持っているのだ」と**“事実として処理する”**だけで消耗は減らせます。

聞くことで共通点を見つける

人は、小さな共通点が１つでもある相手には好意が生まれるという心理があります。たとえば、好きな食べ物、出身地、仕事の目標、どんな小さなことでもかまいませんので、共通点を見つけると関係改善の突破口になることもあります。

話し方教室の視点／酒井学院総長の一言

苦手な人との接し方は、感情整理 → 適度な距離感 → 話すより聞くこと、この流れが効果的です。ゆめゆめ相手を変えようとしてはなりません。それは無理で、無駄な努力です。

相手を変えるのではなく、自分の対処法を磨くこと。これが大人のコミュニケーションというものです。上述したポイントを実行してみてください。あなたの居場所での居心地は、今よりずっと、良いものになるはずです。

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