話し方教室「話材/企業が新卒採用選考で、最重視したもの」

新卒採用に関するアンケート調査結果

経団連が、新卒採用に関するアンケート調査結果を公表した(2014年4月入社対象)。それによると、企業が採用選考にあたって、特に重視した点は「コミュニケーション能力」。これは11年連続で、第一位。

以下、主体性、チャレンジ精神、協調性、誠実性の順となっている。

ちなみにアンケートは、「5つ選択」できる回答方式で、数値はそれぞれ、コミュニケーション能力82.8%、主体性61.1%、チャレンジ精神52.9%、協調性48.2%、誠実性40.3% である。

保有資格や留学経験のポイントは、どちらも0.8%で、殆んど考慮されていないようだ。また、一般常識、学業成績は、6%台で、あまり重視されていない。出身校にいたっては、3%台にすぎない。

「コミュニケーション能力」最重視は定着

アンケート結果から見ると、企業が新卒採用にあたって「コミュニケーション能力」を最重視するのは、定着してしまった、と言っていいだろう。

考えてみれば、主体性、チャレンジ精神、協調性、誠実性というものさえ、周囲の人達とコミュニケーションをとる中で、初めて相手に見出してもらえるものだ。

そうすると、コミュニケーション能力は、職業人にとって基本の「キ」と言ってよい代物となる。(もっとも、会社の先輩達がそれができているかどうかは、かなり心もとないが・・)

企業は「コミュニケーション」を、ちゃんと理解しているのか?

ところで私は、企業が「コミュニケーション」の意味をちゃんと定義して理解しているかどうか、少々心配している。

なぜなら、「コミュニケーション」は幅広い意味を含むからだ。例えば、会話雑談も、スピーチ・プレゼンも、ディベートも、主張も質問も、自己開示も、すべてコミュニケーションである。

営業、交渉、リーダーシップ、コーチング、報連相、ミーティング、説得なども、もちろんコミュニケーションなのだ。

そして、上述はあくまでも「言語コミュニケーション」の一部。それ以外にも「非言語コミュニケーション」もあるわけで、コミュニケーションとは実に多義的なものである。

まさか企業が、そのすべての能力を学生に求めているとは、到底思えない。会社会社で、コミュニケーション能力を、思い思いに、限定してとらえているはずに違いないのだ。

企業が求める「コミュニケーション能力」を定義する

だから学生諸君には、あまり心配はいらないと、言っておこう。

ちなみに私は、「コミュニケーションは、人生のインフラであり」、「職業人に不可欠のコミュニケーション能力には2つある」と、これまで何度も言ってきた。

そして、その2つとは、スピーチ(プレゼン)コミュニケーション能力と、会話雑談コミュニケーション能力のことだ、とも何度も述べてきている。

前者は自分の思い・考えを、的確に相手に伝える能力であり、後者は気軽に周りに溶け込む能力である。だから、企業は、この2つのコミュニケーション能力を重視していると考えればよいわけだ。

学生の皆さんは、怖がらなくていい。コミュニケーションはスキルだから、訓練をすれば必ず身につく。心配な人は、早くから、訓練をすればいい、それだけのことだろう。

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