「管理職に求められる対話力とは|話し方教室が教えるリーダーのコミュニケーション」(じっくり教養 話し方教室東京)

管理職に求められる最も重要なスキルのひとつが「対話力」です。対話力とは、単に会話を交わす技術ではなく、**「相手の意図を理解し、自分の考えを的確に伝える力」**のことです。

管理職の話し方として「聴く力」「伝える力」「共感する力」の3要素が重要になります。今回は、管理職が関わる3つの相手――部下・上司・同僚――それぞれに求められる対話力を整理します。

1.部下に対して ―「傾聴と伝え方」で信頼を育む

傾聴力で“話しやすい上司”になる

管理職としてまず身につけたいのが「傾聴力」です。部下の話を途中でさえぎらず、相づちやうなずきで聴いている姿勢を見せることが信頼関係の出発点です。

部下が安心して相談できる環境をつくることで、問題が早期に共有され、チームの風通しもよくなります。

指示・命令か、問いかけ・提案か

伝え方にも工夫が必要です。いつも、指示・命令ばかりで「~しなさい」ではなく、「~という方法もあるが、どう思う?」と提案型で話すことで、部下の自発性も引き出されます。

「問いかける」姿勢は対話力の本質であることを忘れないでください。

2.上司に対して ―「報連相」で信頼を獲得する

聞き手視点の“報告力”を磨く

上司とのコミュニケーションでは、短時間で正確に伝える力が求められます。結論を先に述べる「結論先行型の話し方」は、ビジネスの話し方では必須のスキルです。

「現在の進捗は80%で、予定通り完了見込みです」のように、上司が最も必要としている情報を端的に提供します。その上で求められれば、経過や理由などを伝えることです。上司からの信頼は、報告の明快さで決まるのです。

“相談”は自分の意見を持った上で

報告だけでなく、対話を通して関係を築く姿勢も重要です。たとえば「□□の件、こう考えていますが、ご意見を伺えますか」と相談することで、上司との信頼関係は深まります。

若手社員なら「○○を教えてください」で済みますが、管理職の相談は、まず自分の意見を伝えた上で、上司の意見を聞く。これは礼儀であり、鉄則です。上司に対しては礼を失せずに、意見を交わす姿勢が、管理職の成熟度を示すのです。

3.同僚に対して ―「雑談と意見交換」で協働につなげる

雑談力で近しい関係を築く

同僚との関係性を良好に保つためには、日常の何気ない雑談が欠かせません。朝の挨拶やちょっとした会話が、部門間の信頼を育てます。

「最近どう?」といった一言も、仕事の相談や情報共有につながり、協働のきっかけを生み出します。雑談力は人間関係の潤滑油なのです。

共感的に意見交換する

同僚との対話では、利害が相反し意見が対立することもあります。その際、「それは違う」と否定するのではなく、「あなたの考えも理解できます」と受け止める姿勢が重要になります。

一度共感を示してから自分の意見を述べると、対話が対立ではなく協力に変わるのです。さらに「この案について、あなたはどう考える?」と問いかけ型の会話を取り入れると、相手の考えを引き出せます。こうした対話力は、同僚との連携を強化し、組織全体のコミュニケーションを活性化させるのです。

話し方教室の視点/酒井学院総長の一言

管理職に求められる対話力は、①部下には傾聴力、②上司には報連相、③同僚には雑談・意見交換。この3つが重要です。ですから、これらを意識的に磨くことで信頼が構築され、円滑な人間関係を結べるのです。

対話力とは、信頼を築く力であり、良好な関係を構築するカギなのです。どうぞ、上記ポイントを実践され、成果を生むリーダーへと成長していってください。

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