話し方教室東京 教養講座-脳はピッチとリズムに基づいて「音楽」と「発話」を認識している!

音楽と発話に対する脳の処理メカニズムの違い

「ニューロサイエンス ニュース ドットコム」では、音楽と発話に対する脳の処理メカニズムに関する研究を紹介している。

ヒトの脳は音楽と発話を区別して認識し、異なるメカニズムで処理しているという。なお、研究論文は、ニューヨーク大学、トロント大学の研究者らによって、年次会合「Cognitive Neuroscience Society」(4月23~26日、米サンフランシスコ)にて発表された。

人の脳は、ピッチとリズムに基づいて音楽と発話を区別している

研究チームによると、過去20年間、ヒトの脳は、音楽と発話を類似したメカニズムで処理していると考えられてきた。しかしながら、脳において、音楽と発話は異なるシグナルで認識される。

そこで、今回、ピッチ(高低・音程)とリズム(ペース・速さ)に着目した。ヒトは、乳幼児期からピッチとリズムに基づいて音楽と発話の違いが分かり、4歳では音楽と言語を明確に区別して認識しているといわれる。

生後4ヶ月の乳児に幼児向けの歌と単調な話し声を聞かせ、脳波による電気的脳活動を観察したところ、ピッチとリズムが脳活動に影響を与え、音楽リズムと音声リズムをもとに音楽と発話を比較していることが認められた。

例えば、誇張されたピッチは、対乳児発話(ゆっくりとしたテンポと抑揚がある高い声で話しかけること)に対する脳活動を活性化した。乳児にとって、安定したピッチは歌のシグナルとして受け取られ、一方、不安定なピッチは音楽というよりも発話に聞こえるという。

あわせて、子供および大人を対象に、音楽と言語における相違を定性的に説明してもらったところ、テンポ、ピッチ、リズムが決め手になるとの結論に至った。

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