「ビジネス交渉で成果を出す!合意形成に必要な話し方と信頼構築のコツ」(じっくり教養 話し方教室東京)
ビジネスの現場では、商談、契約、社内プロジェクトの調整など、交渉の場面が頻繁に訪れます。
その中で重要なのは、相手を言い負かすことではなく、双方が納得できる「合意形成」です。合意形成を成功させるためには、論理的な説明力と同時に、相手との信頼関係を築く話し方が欠かせません。
今回は、ビジネス交渉で成果を出すための話し方と信頼構築のコツを解説します。
1. 事前リサーチを怠らず傾聴でニーズをつかむ
事前リサーチで相手を知る
交渉を成功に導く第一歩は「情報収集」です。相手企業の業績や市場環境、過去の取引内容、担当者の価値観などを事前に調べておくことは基本です。
公式サイトやプレスリリース、業界ニュース、SNS発信などは有力な情報源といえます。事前リサーチが充実していれば、提案の説得力が増し、相手の共感も得やすくなります。逆に、準備不足は「この人は本気ではない」と受け取られ、交渉のスタート地点で信頼を失う恐れがあります。
傾聴でニーズをつかむ
交渉の場では、すぐに自分の提案を話すのではなく、まず相手のニーズを引き出す質問から始めることです。「現状で一番困っていることは何ですか?」「このプロジェクトの最終的なゴールはどこにあるのでしょうか?」
オープンクエスチョンは、相手が自由に話しやすくなります。そして、相手の発言を最後まで聞き、要約して確認する「傾聴の姿勢」を見せることで、「この人は理解してくれている」という安心感が生まれ、合意形成もスムーズになってきます。
2. 誠実な話し方・ボディーランゲージで信頼関係を築く
誠実に透明性を持って話す
交渉は「勝ち負け」ではなく「Win-Winの着地点」を探る場です。そのためには、事実を誇張せず、リスクやデメリットも正直に伝えることが大切です。
条件や数字を提示する際は、根拠を明確に示し、曖昧な表現を避けるべきです。誠実で透明性のある話し方は、相手の信頼を獲得する最短ルートです。
非言語コミュニケーションを意識する
人は言葉だけでなく、態度や表情からも相手の信頼度を判断します。交渉中は、視線を合わせ、適度にうなずき、相手の話に共感を示す必要があります。
また、声のトーンは落ち着きと自信を感じさせる中低音域が理想です。手振り身振りは控えめにし、話の内容に集中させる姿勢が効果的です。
3. 合意形成に導く話し方・提案の仕方とは
双方のメリットを明示する
提案内容は、「相手の利益」と「自分の利益」の両方を明確に示すことが重要です。例えば、「この方法なら、御社のコスト削減が可能で、弊社にとっても納期短縮に無理がありません」
このように双方にメリットがある形で提示すると、交渉相手は前向きに検討しやすくなります。
選択肢を提示して選んでもらう
一つの案だけを押し付けると、相手は抵抗感を持ちやすくなります。そこで、複数の選択肢を提示することが肝心です。そして、それぞれのメリットとデメリットを説明することです。
例えば、「A案なら短期的な成果が見込めます。しかし、コストやや高めです。一方B案は~」といった比較を示すことで、相手が自ら選んだという納得感を得られ、合意形成が進めやすくなります。
話し方教室の視点/酒井学院総長の一言
交渉で成果を出すためには、相手を理解し、信頼を築き、Win-Winの提案を行うという、まさに総合的なコミュニケーション力が求められます。
いきなりプロレベルを目指すのは大変ですから、まずは上述した事前準備、誠実な話し方、提案の仕方を一つずつ意識して取り組んでみてください。そうしているうちに、やがて、この3つがピタッと揃う時がやってきます。
3つが合いまった時、合意形成の成功率は飛躍的に高まるのです。先ずは、一歩を踏み出してください。成果はその先にあります。
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