「部下の自発性を引き出す質問力!話し方教室が教える上司のコミュニケーション術」(じっくり教養 話し方教室東京)


職場で成果を出すチームをつくるには、部下が上司からの指示を待つだけでは不十分です。自ら考え、動き、提案できる「自発性」を持つ部下が多いほど、組織はスピード感を持って成長します。

そのために上司が身につけるべきスキルのひとつが「質問力」です。質問は単に情報を得るためだけでなく、部下の思考を刺激し、主体的な行動を促す強力なコミュニケーション術なのです。

今回は、部下の自発性を引き出す質問力の基本を整理し、具体的に実践できる方法としてご紹介します。

1.質問を使い分けて部下の思考を深める

上司が部下に投げかける質問の仕方ひとつで、答えの質も行動も変わります。

オープン・クエスチョン

「どう思う?」「どうしたらいい?」といったオープンクエスチョンは、答えが一つに絞られないため、部下に考える余地を与えられます。これにより発想が広がり、自らの言葉で説明する習慣が身につきます。

オープンクエスチョンを使いこなして、部下の自発性を育ててください。

クローズド・クエスチョン

一方で、自由度が高すぎると迷いやすいケースもあります。その場合は「A案とB案、どちらが良いと思う?」といったクローズドクエスチョンが有効です。

選択肢を与えることで思考が整理しやすく、部下自身が決断する経験が積み重なり、徐々に主体性も育っていきます。

2.肯定的質問と傾聴で安心して話せる環境をつくる

部下が安心して意見を言える環境を整えることは、質問力を磨くうえで欠かせません。

未来志向の質問で挑戦を促す

「なぜできなかったのか?」と詰問調で聞くと、部下は萎縮してしまいます。代わりに「次はどうすれば改善できると思う?」と問いかけると、自然に改善のアイデアも出てきます。

ポジティブな未来志向の質問は、部下の挑戦を後押しすることができるのです。

傾聴で安心して話せる空気を作る

質問した後にすぐ答えを急かすのではなく、うなずきや相づちを交えて静かに待つことが大切です。部下が安心して発言できるよう、上司は「話を受け止めている」というメッセージを、態度で示すことです。

上司が話したくても、そこはグッとこらえて、部下に8割超話してもらう傾聴の姿勢が重要です。

3.質問のサイクルを回し部下の成長を支援する

部下の自発性は、一度の質問で完結するものではありません。継続的なサイクルを回すことが、部下育成のポイントになります。

振り返りの質問を忘れない

部下の行動が終わったら「なぜこの方法を選んだのか?」「次はどうすれば良くなると思う?」と問いかけます。こうした振り返りの質問を通じて、部下は自分の行動を言語化し、次の改善点を主体的に考えるようになります。

失敗から学ぶ姿勢も、このサイクルによって自然と定着します。

1on1で継続的フォローアップ

1on1ミーティングを定期的に行い、業務報告だけでなくキャリアや悩みについても質問することが効果的です。安心して相談できる環境があると、部下は自ら提案や意見を述べやすくなります。

上司の質問力とコミュニケーション術が、信頼関係を深め、部下の自発性を持続的に育てていくのです。

話し方教室の視点/酒井学院総長の一言

部下の自発性を育てる上で、上司の「質問力」は極めて重要です。オープンクエスチョンで思考を引き出し、肯定的な質問と傾聴で安心感をつくり、さらに振り返りを通じて成長を促す。

この一連の流れを意識することで、部下は「言われて動く人材」から「自ら考えて行動する人材」へと変わっていきます。

上司の質問は単なる会話の道具ではなく、部下の可能性を引き出す最強の武器なのです。どうぞ、しっかり取り組んでいってください。

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