「部下が主体的に動く上司の話し方とは?成果が上がる言葉がけの技術【話し方教室が解説】」(じっくり教養 話し方教室東京)

部下の主体性が低い──多くの管理職が抱える共通の悩みです。「指示待ち」「自分で考えない」「積極的に動かない」など、チームの成果に大きく影響します。
実は、部下が主体的に動かない原因の多くは、部下自身ではなく 上司の“言葉がけ”の質 にあるのです。言葉ひとつで、部下は受け身にもなり、自律的にもなります。今回は、主体性を引き出す上司の話し方とは何かについて解説します。
1.言葉がけで”挑戦”や”決断”の勇気を与える
挑戦を促す
部下が自ら動けない最大の理由は「失敗が怖い」からです。とくに若手ほど、「失敗したら怒られるのでは」と考え、無難な行動を選びがちです。そのため上司は、次のような言葉で挑戦を促す必要があります。
「まずはやってみて」「失敗の責任は私が取る」この言葉は、部下に安心感と行動する勇気を与えます。主体性は、挑戦できる土壌があってこそ育ちます。
小さな決断を任せる
いきなり大きな業務を丸投げする必要はありません。まずは スモールステップで判断を任せること が重要です。「A案とB案、どちらが良いと思う?」「あなたならどんな方法で進めますか?」
選択肢の中から自分で決断する経験を積ませることで、「決める → 行動する (そして、成功体験を積む)」という循環が生まれ、主体的な行動力が育ちます。
2.”質問”と”承認”で考える力と意欲を引き出す
指示よりも質問する
「こうして」「これをやって」では、指示待ち人材を量産してしまいます。主体性を引き出す上司は 問いかける ところから始めています。
「あなたはどう思う?」「より良くするにはどうしたらいい?」このような問いによって部下は考える習慣を持ち、仕事を自分ごと化できるようになります。
否定よりも承認する
部下の意見が未熟でも、すぐに否定するのは逆効果です。「その視点いいね」「まずはその方法でやってみよう」と、まずは承認することで、意見を言いやすくなる「心理的安全性」が生まれます。
心理的安全性のあるチームは主体的で創造性が高くなるという研究結果もあり、言葉の力は非常に大きいものです。
3.指示は”具体的”に出し”意義・目的”を伝える
指示は明確に具体的に
曖昧な指示では主体性は育ちません。自由と放任は違います。「判断する材料」が揃ってはじめて主体性が発揮されるのです。
たとえば、「来週月曜までに」「取引先に見せられるレベルの資料として」「3つの提案を盛り込んで」などのように、具体的なゴールを明示することで、部下は迷いなく行動できます。
仕事の意義を説明する
人は「自分の仕事が誰の役に立つか」を理解した瞬間、主体的になれるものです。ですから、指示は、ただのタスクとして渡すのではなく、「この提案が通れば、プロジェクトが一気に前に進む」「この仕事はチーム全体の成果につながる」と、仕事の意義を共有する必要があります。
意義や目的を理解することで、部下は指示されたからやる、ではなく、「やる価値があるからやる」と感じます。
話し方教室の視点/酒井学院総長の一言
主体性のある部下は、勝手に生まれるわけではありません。上司の言葉がけによる部分が大きいのです。
その言葉がけとは、挑戦や決断の背中を押すこと、質問と承認で考える力を引き出すこと、そして、意義・目的・ゴールを明確にして動きやすくすることにあります。
この3つを継続してください。そうすれば、チームは必ず変わります。今日から始めてほしいと思っています。
■ 記事関連・話し方講座/あがり症専門 話し方教室・目的別・話し方講座一覧
■ 話し方教養講座提供/©話し方教室の名門・日本コミュニケーション学院(東京)/話し方教室教養講座・スタッフ委員会

