「職業人の伝え方の基本|話し方教室が解説する”わかりやすい話し方”のコツ」(じっくり教養 話し方教室東京)


仕事では、同じ内容を話しても「わかりやすい」と言われる人と、「結局、何をしてほしいの?」と聞き返される人がいます。違いは話す量ではありません。相手が内容を理解し、次の行動を判断できるように伝えているかどうかです。

今回は、ビジネスで欠かせない職業人としての伝え方の大切な基本を解説します。

1.結論から話す・要点を絞る

結論から簡潔に話す

職場での説明は、まず「何を伝える話か」を示すことが基本です。

例えば「新しい案を提案します。目的は作業時間の短縮です。先月の試行では、入力作業を一件当たり5分減らせました」と話せば、聞き手は判断の筋道を追えます。

会議での発言や提案には、結論→理由→具体例・詳細の順に話すことが大切です。ただし、型に当てはめること自体が目的ではありません。相手が急いでいるなら、最初の結論と根拠だけを簡潔に伝え、詳細は質問に応じて補います。

報連相では事実と判断を分ける

報告・連絡・相談で話が長くなるのは、起きた事実と自分の考えが混ざるときです。「納期が二日遅れます」が事実なら、「担当を増やすべきだと思います」は判断です。そのうえで「優先順位を変更してよいでしょうか」と相談をします。

報告なら「結果→経過→必要な対応」、相談なら「現状→困っている点→判断してほしいこと」と整理すると、上司や同僚が返答しやすくなります。期限、数量、担当者も曖昧にせずに確認します。

2.相手目線で具体的に伝える

相手に合わせて言葉を選ぶ

職業人の伝え方では、「自分が何を言ったか」だけでなく、「相手が何を理解できたか」が大切です。同じ案件でも、意思決定をする上司には費用・効果・リスクを、作業を担う同僚には手順・期限・担当範囲を伝えます。

専門用語を使う場合も、相手が同じ意味で理解しているとは限りません。「早めにお願いします」より「木曜の正午までに初稿をください」のほうが、行動に移しやすい依頼です。話す前に「相手が知りたいことは何か」「話した後に何を判断・実行してほしいか」を考えることです。

数字・具体例で誤解を防ぐ

「最近、問い合わせが増えています」だけでは、状況の深刻さが伝わりません。「先週は前週より十件増え、回答に平均一日長くかかっています」と言えば、課題を共有できます。数字がない場合も、「どの作業で、何が起き、誰に影響するか」を具体的に説明します。

一文には一つの要点を置き、情報を詰め込みすぎないことも重要です。資料やスライドを使うなら、見せたい数字や内容を絞ります。聞き手が理解しやすい形に整えて初めて、情報は仕事に使える説明になります。

3.明瞭な声で伝え質問で認識を合わせる

質問で認識を合わせる

伝える力には、相手の話を聞く力も含まれます。説明の前に「今回、特に確認したい点は何ですか」と尋ねれば、不要な説明を減らせます。途中で相手の発言を遮らず、疑問がわいたら「費用面が気になっているのですか」と確かることです。

説明後の「わかりましたか?」には、相手が遠慮して「はい」と答えることがよくあります。ですから、「担当と期限を一緒に確認してもよいですか」と具体的に問い直すほうが、認識のずれを見つけやすくなります。質問は、仕事の行き違いを防ぐ基本です。

明瞭な声で話し適切な言葉遣いを

正しい内容でも、早口や小さな声では聞き取りにくくなります。重要な結論の前では一呼吸置き、語尾まで明瞭に話します。対面なら相手に顔を向け、オンライン会議なら普段より少しゆっくり話すと確認しやすくなります。

依頼や指摘では、敬語とクッション言葉も有効です。「恐れ入りますが、今日中に確認をお願いします」と伝え、難しい場合には代案を聞きます。穏やかな声と表情を心がけつつ、期限や求める行動は明確にする。その両立が、協力を得やすい伝え方につながります。

話し方教室・専門家の視点/酒井学院長の一言

職業人の伝え方の基本は、結論と要点を整理すること、相手に合わせて具体的に話すこと、質問して理解を確かめることです。きわめてシンプルなことといえます。

まずは次の報告や依頼で、冒頭に結論を一文で述べ、最後に担当と期限を確認してみてください。日々の小さな実践が、仕事を進めるための伝え方を磨いてくれます。

日本コミュニケーション学院 創設者・学院総長 酒井美智雄

■ 記事関連・話し方講座/あがり症専門 話し方教室・目的別・話し方講座一覧

■ 話し方教養講座提供/©話し方教室の名門・日本コミュニケーション学院(東京)