「急に意見を求められたときの答え方|話し方教室が教える”とっさの発言”の基本」(話し方・あがり症克服 教養講座)

「会議で急に指名され、頭が真っ白になった」「話がグダグダで、長くなってしまった」。とっさの発言に苦手意識を持つ人は少なくありません。気の利いた一言を探そうとすれば、何から話せばよいか迷うこともあります。
本学・話し方教室では「とっさの発言とは、その場の問いを理解し、必要な内容を短く組み立てて伝えることである」と定義しています。
今回は、急に意見を求められた時の対応について解説いたします。
1.傾聴と確認質問で、求められている意見と論点を確認する
質問を理解した上で簡潔に答える
指名されたら、すぐに話し始めようとせず、質問を理解する必要があります。「この案はどうですか」と聞かれた場合も、実現できるか、費用は妥当か、現場で使いやすいか、によって答えは変わります。
質問と関係の薄い経験談を始める前に、「何についての質問か」をキチンと押さえることは重要です。その上で、簡潔に答えを返してください。
曖昧な問いには確認質問をする
もし、意図が曖昧なら、「実施時期についての意見でよろしいですか」と確認します。「質問が分かりません」とだけ言うより、自分が理解した範囲を示すと、相手も補足しやすくなります。聞き返しは、的確な答えを考えるために必要な行為です。
考える時間が必要な場合は、「少し整理してお答えします」と伝えて間を取ります。無理に言葉で埋め続ける必要はありません。
2.簡潔に話す・論理的に話す・事実と意見を分ける
結論先出しで意見を述べる
意見を求められたら、「私は、小規模に試してから広げる案に賛成です」と立場を先に示します。続けて、「担当者の負担を確かめられるためです」と理由を述べ、必要なら具体例を添えます。結論、理由、具体例はシンプルですが分かりやすい話し方です。
事実と意見を分ける・分からない点は確認してから
「利用者は必ず困ります」と断定する前に、何を根拠にしているかを確認することです。「先週、操作方法の問い合わせが3件ありました」は事実、「導入時に説明が必要だと考えます」は意見です。架空の数字を実績のように使ってはいけません。確認した情報に基づいて話すことがビジネスパーソンの基本です。
もし、情報が足りなければ、「費用の比較資料を見ていないため、現時点では判断できません」と伝えます。そのうえで、「担当者に確認し、本日15時までに回答します」と次の行動を示してください。
3.非言語コミュニケーションと事前準備で、発言の不安に備える
非言語コミュニケーションを意識する
焦ると、声が小さくなったり、息継ぎをせずに話したりしがちです。話し始める前に息を吐き、相手に届く声量で、一文ずつ区切ります。名称や数字は明瞭に発音し、結論の後に短い間を置くと、聞き手も内容を整理できます。
視線は手元だけに固定せず、質問した相手や参加者に自然に向けます。無理に笑顔を作るより、場面に合う表情と姿勢を意識してください。言い間違えたら、その箇所だけ訂正して続けます。
発言下手なら事前に簡単に準備しておく
会議の前に、議題ごとに「自分の意見」「その理由」「確かめたいこと」を一行ずつメモしておきます。配布資料を読むだけで終えず、担当業務との関係も考えておくと、急な指名でも使える材料になります。他の人の発言から、追加すべき情報があればメモを更新します。
話し方教室・専門家の視点/酒井学院長の一言
急に意見を求められたときは、問いを確かめ、結論と根拠を短く伝え、分からない点は確認につなげることが基本です。決して、発言の流暢さだけを追い求めず、議論に必要な情報を一つでも届けることが重要です。
次の会議では、議題への意見とその理由を一行ずつ用意することから始めてみてください。
日本コミュニケーション学院 創設者・学院総長 酒井美智雄
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