会話・雑談力の話し方教室「兄弟姉妹が老親を介護する際のコミュニケーションとは?」

親の介護によって生じる兄弟姉妹の新たな「人間関係」

全米コミュニケーション学会は5月11日、親の介護と兄弟姉妹の関係に関する研究論文を「応用コミュニケーション研究」誌に掲載したと発表した。

論文の著者は米ニューメキシコ州立大学のダニエル・ハリウェル氏、米エッカード大学のクリスティーナ・A・ウェンツェル・イーガン氏、ミズーリ大学コロンビア校のエリカ・L・ハワード氏ら。

現代人の平均寿命は長くなり、年老いたり病気になったりした自分の親を介護する人の数は増え続けている。大人になった兄弟姉妹がともに親の介護をするにあたり、この新たな関係の中で、余計なストレスや複雑な事態に直面することも少なくない。

介護する人は大変さを話す、周りは協力、感謝、共感を示す

同研究では、大人になって親の介護を経験した兄弟姉妹20人にインタビューを実施。その結果、「(不)平等」、「理想と現実の対立」、「相互関連性」の3つ切り口があることがわかった。そのどれもが、協力すること、お互いに感謝を表現すること、共感を示すことの大切さを強調するものだった。

同研究では特に、介護経験にまつわる経験を語ることの重要性に注目した。著者らは「ネガティブな経験を物語として語ることで、しばしばストレスをコントロールしやすくなるので、医療関係者やカウンセラーなどの専門家は、親の介護を抱える人に対し、自分の気持ちを話すことを勧めるべき」と指摘。

このようなコミュニケーションが促進されれば、家族内での柔軟性や思いやりの向上、より効率的な介護計画、そして兄弟姉妹におけるより親密な関係の構築につながるとしている。

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