「話し方教室が教える!伝わるビジネスプレゼン資料と図解作成のコツ」(1分間 話し方教室東京)


ビジネスプレゼンテーションの伝え方の成否を左右するのは、話す力と資料・図解の質と言えます。話し方はもちろん、スライドに何を載せるか、どのように見せるかによって、聞き手の理解度や納得感は大きく変わります。

今回は、ビジネスプレゼンを成功させるための「伝わる資料と図解」のポイントを紹介します。

1. スライドの目的を明確にする

プレゼン資料は、「メッセージを視覚で届ける手段」です。伝わる資料には、共通する明確なルールがあります。

1スライド=1メッセージの原則

この原則は重要です。ひとつのスライドに複数の情報を詰め込むと、何を伝えたいのかが曖昧になります。たとえば、「市場環境の説明」と「今後の課題」は別スライドに分け、一枚一枚に明確な意図を持たせます。

また、聞き手が内容を視覚的に理解しやすくなるよう、タイトルにも結論を入れる工夫が効果的です。たとえば「課題①:顧客層の変化が加速」など、目線誘導になるようにします。

情報の視認性を上げる

資料作成では、内容を「盛る」のではなく、「削る」ことが重要です。不要な情報を削ぎ落とし、伝えたい要点に絞ることで、聞き手の理解が深まります。

特に大事なのが「強調」。重要な数字やキーワードには、色やフォントサイズ、太字などを使って視覚的にメリハリをつけます。見た瞬間に“ここが大事”とわかる資料は、話し手への信頼感にもつながります。

2. 図解で直感的に分かりやすく伝える

言葉だけで複雑な情報を伝えようと聞き手が理解できないことがあります。そこで、力を発揮するのが図解の活用です。

図解で情報の「構造」「関係性」を可視化

たとえば、因果関係を示したいときは矢印を使い、比較を伝えるには表やマトリクスを活用します。また、プロセスを説明するときはフローチャートが効果的です。

図解の目的は、聞き手が直感的に理解できるように情報を並べることです。文章では伝わりづらい関係性や流れを、図によって「目に見えるかたち」に変えるだけで、プレゼンの伝達力は飛躍的に向上します。

図解は「説明とセット」が基本

図解を入れるだけでは十分ではありません。そこで、口頭で図を丁寧に説明することが不可欠です。たとえば、「こちらの図は、顧客との接点を時系列で表しています」といった説明を加えるだけで、聞き手は理解しやすくなります。

「図を見せる → 説明する → 話に戻る」という流れは肝要です。

3. 色・フォント・レイアウト統一で好印象を与える

ビジネスプレゼンでは、第一印象も重要です。内容が優れていても、資料のデザインがバラバラだと、全体の信頼感が損なわれてしまいます。

色使いに「意味」と「統一感」を

色は、意味を伝えるための重要な手段です。信頼感を示したいなら青、注意を引きたい部分には赤、安心感には緑など、目的に応じた色選びが効果的です。

また、色数は3〜4色に絞るのが鉄則。同じテーマやカテゴリには同じ色を使うことで、視覚的なナビゲーションが生まれ、プレゼンの構成がより伝わりやすくなります。

フォント・レイアウトも統一する

フォントや見出しのサイズ、行間、アイコンやイラストのテイストが揃っているだけで、資料はぐっと洗練された印象になります。資料設計もブランディングの一部と考える必要があるでしょう。

テンプレート活用も一つの手ですが、大切なのは、「読みやすさ」と「整った見た目」を一貫して保つことです。

話し方教室の視点/酒井学院総長の一言

資料は補助ツールではありますが、話し手の言葉を後押しし、伝わる力を倍増させるパートナーでもあります。

ビジネスプレゼンテーションで成果を出したいと願うすべてのビジネスパーソンに、ぜひこの“話し方×資料×図解”の三位一体アプローチを体得することをお勧めいたします。

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