「”伝わる話し方”その基本中の基本とは」(じっくり教養 話し方教室東京)

人と話すときに「うまく伝わらない」と悩む方は多くいます。どんなに一生懸命に説明しても、聞き手が理解できなければ意味がありません。そこで大切になるのが「伝わる話し方」です。

これは特別な才能ではなく、基本を押さえて練習すれば誰でも身につけられるスキルです。今回は、伝わる話し方の基本の「き」を解説します。

1.分かりやすい構成で話す

結論ファーストで伝える

聞き手にとって分かりやすい話し方とは、内容が整理され、筋道が通っていることを意味します。重要なのは「構成力」です。特に結論を先に伝えることが大事です。

結論ファーストで話を始めると、聞き手は「これから何を聞くのか」をすぐ理解でき、安心して耳を傾けられます。たとえば会議の報告であれば「結論から申し上げますと、売上は前月比10%増です」と冒頭で述べることで、相手はその後に続く根拠や詳細を自然に受け止められるのです。

情報を整理して順序立てる

さらに、情報を整理して順序立てて話すことも欠かせません。話の順序が前後すると、どれだけ良い内容でも伝わりにくくなります。そこで役立つのがご存じ「5W1H」です。

いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように、と要素をそろえることで抜けのない説明になります。また「背景 → 問題 → 解決策」といった流れを意識するだけでも、聞き手の理解は格段に高まります。

2.発声・発音の基礎を磨いて話す

呼吸で声量を安定させる

次に重要なのが、声そのものの質を整えることです。どれだけ話の内容が整理されていても、声が小さかったり滑舌が悪かったりすれば、相手は集中して聞けません。

そこでボイストレーニングをお勧めします。まずは深い呼吸です。そうすることで声量が安定します。また、気持ちも落ち着けることができます。

滑舌練習で発音を明瞭にする

加えて、滑舌やアクセントのトレーニングも欠かせません。語尾が曖昧になったり、言葉がもつれて聞き取りにくくなると、内容が正しく伝わらなくなります。

滑舌を鍛えるために早口言葉を練習したり、母音を意識して発音したりすることは、よく取り入れられる方法です。

3.聞き手目線で話す

話す目的とターゲットを明確にする

最後に、伝わる話し方の最大の鍵は「聞き手を意識すること」です。話す目的は「自分が言いたいことを言う」ことではなく「相手に理解してもらう」ことにあります。その第一歩は、話の目的とターゲットの明確化です。

同じ内容でも、説得が目的なのか、情報共有が目的なのかで、伝え方は変わります。たとえば部下に説明するときと、経営層にプレゼンするときでは、必要とされる情報の深さや切り口が異なります。

相手の知識や立場を踏まえて話を組み立てることで、初めて「伝わる話し方」が実現します。

聞き手の反応を確認しながら話す

さらに大切なのは、聞き手の反応を確かめながら話すことです。人前で話すとき、つい自分のペースで一方的に話してしまいがちですが、それでは伝わりません。相手の表情やうなずきに目を配り、理解が追いついているか確認しながら話すことが求められます。

また「間」を上手に取ることも効果的です。ポイントごとに少し沈黙を置くだけで、聞き手は内容を整理しやすくなります。このように聞き手を意識して話を進めることで、伝わる力は飛躍的に高まります。

話し方教室の視点/酒井学院総長の一言

伝わる話し方の基本の「き」は、「構成」「発声と発声」「聞き手意識」の三つに集約できます。これらは一度身につければ一生役立つスキルであり、仕事でも日常生活でも信頼を築く大きな武器になります。

ぜひ話し方教室のトレーニングを活用しながら、日々の練習を積み重ねてください。そうすれば、あなたの言葉は必ず相手に届くようになりますから。

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