「プレゼンテーション後の質疑応答で焦らない!話し方教室が教える質問対応の基本」(じっくり教養 話し方教室東京)


プレゼンテーションを成功に導くには、発表そのものだけでなく「質疑応答」の時間をいかに切り抜けるかが重要です。準備した内容を話す場面では落ち着いていても、突然の質問に慌てて言葉が出てこなかったり、的外れな回答をしてしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。

実は、質疑応答は話し方のスキルが如実に表れる瞬間であり、対応次第で聴き手からの信頼度が大きく変わります。今回は、「質疑応答で焦らないための質問対応力」の基本を紹介します。

1. 事前に想定質問を準備し的確に答える

想定質問リストを作成する

プレゼンの準備段階で、想定される質問をできる限り洗い出しておくことが肝心です。「なぜこの方法を採用したのか」「コストはどれくらいか」「競合との差別化は?」といった突っ込まれやすいポイントは必ず整理しておきます。

さらに、それらを「根拠に関する質問」「リスクに関する質問」「実現可能性に関する質問」などに分類すると抜け漏れが減ります。とにかく「想定質問リスト」を事前に作ることは必須の準備となります。

謝意を述べ簡潔に答える

回答は「結論→理由→具体例」の構成を意識すると伝わりやすくなります。また、「ご質問ありがとうございます」「ご指摘の〇〇という観点ですが…」などの導入フレーズを準備しておけば、言葉に詰まることを防げます。

2. 質問の意図を把握し要点を絞って答える

質問を正確に理解する

焦って答え始めるのではなく、まず質問の意図を正確に理解することが大切です。あいまいな質問や長い質問が来た場合には「つまり〇〇というご質問でよろしいでしょうか?」と確認する一言を添えると、相手の意図を誤解するリスクを減らせます。

質問を理解しないまま答えてはならない、このことは大切です。

要点を絞り簡潔に話す

緊張するとつい説明が長くなりがちですが、それでは聴き手に伝わりにくくなります。回答は先ほども示しましたが「結論→理由→具体例」の順で、できるだけシンプルに答えてください。

大事な点だけに絞って答え、枝葉の情報は(必要なら)後で補足すればよいのです。

3. 想定外の質問や難しい質問に答える

想定外の質問に対応する

予想外の質問が来た場合、すぐに答えようとすると焦りや誤答につながります。まずは、ゆっくりと、その質問のポイントを質問者に返します。

そして、その間に答えを考えます。それでも、答えを用意できない時は、「その点は後ほど調べてご報告いたします」といった表現を用意しておくと安心です。

無理に答えるよりも正直に対応する

また、難しい質問に無理に答えようとして誤った情報を伝えるよりも、「現時点では正確なデータが手元にないためお答えすることがかないません。すみません」と正直に対応するほうが聴き手の信頼につながるものです。

「分からないことは正直に伝える」これは大切です。質問対応では知識量だけでなく、人柄や誠実さも試されているのです。

話し方教室の視点/酒井学院総長の一言

プレゼンテーション後の質疑応答は、多くの人が最も不安に感じる場面ですが、実は準備と練習で大きく改善できる部分でもあります。

まずは、想定質問を準備して的確に答える。次に、質問の意図を正確に捉えて簡潔に話す。そして難しい質問に誠実に対応すること。この3つをしっかりやれるようになることで、質疑応答の場は「怖い時間」ではなく「信頼を築くチャンス」に変わるのです。

もちろん、キチンとしたプレゼン・トレーニングは欠かせません。ですから、ビジネスパーソンには、ぜひとも、質疑応答を含めたプレゼンスキルを、なるべく早い機会に磨いて欲しいと思っています。

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