「初級管理者必見!部下に仕事を任せるための説明力と伝え方の基本」(じっくり教養 話し方教室東京)
初めて管理職やリーダーの立場についたとき、多くの人が直面するのが「部下に仕事を任せる際の説明の難しさ」です。自分で実務をこなしていたときには意識しなかった「伝え方」が、部下に任せる場面になると一気に重要性を増します。
せっかくの指示も、伝え方が不十分であれば、部下は迷いや不安を抱え、結果的に成果が出にくくなります。逆に、説明力を磨くことで部下は安心して動けるようになり、チーム全体の生産性が高まります。
今回は、初級管理者に求められる「任せるための説明力と伝え方」を解説します。
1. 端的に明確に伝える
短いキーワードで端的に伝える
人は長い説明よりも、短く明確な言葉を記憶に残しやすいものです。初級管理者が部下に仕事を任せるときには、必ず「この業務の核となるキーワード」を最初に示すことが効果的です。
例えば「今回は品質最優先」「期限を守ることが第一」など、短いキーワードを冒頭で伝えると、部下は「何を重視すべきか」をすぐ理解できます。
先に結論やゴールを伝える
説明の順序も大切です。背景から長々と語るより、まず「結論」や「ゴール」を先に提示することで、聞き手は安心して話を聞けます。
例えば「このタスクのゴールは顧客満足度を高めることです」と冒頭で明示すれば、その後の詳細もすんなり受け止めてもらえます。初級管理者はこの習慣を持つことで、部下に任せる説明力を大きく高められるのです。
2. 理解を促し印象を強化して伝える
間を取ることで理解を高める
説明の途中に「間」を取ることは、聞き手にとって内容を整理する時間になります。たとえば「このタスクは…(2秒間の沈黙)来週金曜日までに完了させてください」と伝えると、聞き手は“完了期限”をしっかりと認識できます。
人前での話し方でも「早口で話すより、間を置く方が理解度は高まる」のです。意識的に“間”を取り入れることで、伝え方に余裕が生まれ、説明力が一段と向上します。
間を取ることで印象を強める
“間”は理解だけでなく、印象を強める役割も果たします。特に重要なフレーズの前後で間を置くと、聞き手の注意が自然と集中します。
例えば「今回の最重要ポイントは…(1秒の間)顧客との信頼関係です」と語れば、強調効果が高まり、部下は「信頼関係が大切なのだ」と意識できます。
本学・話し方教室では「声の抑揚や間の使い方が説得力を左右する」と指導していますが、これは管理者が部下に任せる場面でも有効なのです。
3.共感と納得感を高めて伝える
部下に寄り添う言葉選び
単に指示を出すだけでは、部下は「やらされ感」を抱きがちです。そこで「共感ワード」の活用が効果的です。例えば「初めての作業だから不安だと思うけれど、手順を守れば必ずできるよ」と一言添えるだけで、部下は安心します。
「相手の立場に立って共感を示す」ことは信頼関係づくりの第一歩です。管理者は、部下に任せる際の説明の中で共感を示すことが大切になります。
説明に実績や具体例を添える
説明に「過去の成功事例」や「他のメンバーの経験談」を加えると、部下は納得感を持ちやすくなります。たとえば「この手順で進めたら、前回は予定より2日早く仕上げられたよ」と伝えると、部下は「自分にもできそうだ」と前向きになります。
実績や具体例を示す伝え方”をすることで、初級管理者の言葉に説得力が加わり、任せる力が強化されるのです。
話し方教室の視点/酒井学院総長の一言
初級管理者が「部下に任せる説明力と伝え方」を磨くことは、部下の育成やチーム全体の成果向上に直結します。
そして、そのポイントは、端的に伝える、理解を促す、共感・納得感を高めることにあります。ぜひ、これらに意識的に取り組んでください。そうすれば、説明は格段に分かりやすく、浸透しやすくなります。
思うに、リーダーシップの中核はコミュニケーションスキルであり、それを日常のマネジメントに取り入れることはリーダーの大事な仕事です。ぜひトレーニングをして、「伝わるリーダー」として一皮むけた存在になって欲しいと思っています。
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