「管理職1年目の話し方|話し方教室が教える『信頼されるリーダー』になるためのコミュニケーション」


管理職1年目は、多くの人にとって大きな転機です。これまでの「プレイヤー」としての役割から、「チームをまとめるリーダー」へと立場が変わります。

しかし、優秀なプレイヤーだった人ほど、「どう話せば部下が動くのか分からない」「指示が伝わらない」「部下との距離感に悩む」といった課題に直面します。

実は、管理職に求められるのは仕事の知識や経験だけではありません。チームの信頼を得て、組織を動かすための「話し方」と「コミュニケーション力」が不可欠になります。

今回は、管理職1年目の人が身につけたい話し方の基本について解説します。

1.「伝わる」話し方を身に付ける

指示は具体的に伝える

管理職になると、「言ったはずなのに伝わっていない」という場面が増えるものです。その原因の多くは、指示が抽象的だからです。

例えば、「しっかり対応してください」「早めに提出してください」という言い方では、人によって解釈が異なります。一方、「木曜日17時までに提出してください」「お客様へ本日中に電話してください」のように具体的に伝えれば、認識のズレを防ぐことができます。

管理職の話し方では、「誰が・何を・いつまでに」を明確に伝えることが重要になります。

結論から伝える

部下は管理職の話を理解しようと集中しています。しかし話が長くなると、本当に伝えたい内容がぼやけてしまいます。そこで重要なのが「結論ファースト」です。

例えば、「来月から営業体制を変更します。理由は・・・」という順番で話すと理解しやすくなります。管理職は説明する機会が増えるため、結論、理由、具体的行動指示の順番で話すことが重要です。この話し方は会議、朝礼、面談、プレゼンテーションでも効果的です。

2.「聞く」ことで部下との信頼を築く

「聞く力」を高める

管理職になると、自分が話す機会ばかり増えると思われがちですが、実際には「聴く力」がより重要になります。部下は、「話を聞いてもらえた」「理解してもらえた」と感じた上司を信頼するのです。

そのためには、最後まで話を聞く、話を遮らない、相づちをうつ、要約して確認する、といった傾聴スキルが欠かせません。優れた管理職ほど、話すよりも聴く時間を大切にしているものです。

否定より受け止めてみる

管理職1年目によくある失敗が、部下の意見をすぐに否定してしまうことです。例えば、「それは無理だ」「前にも失敗しただろう」という反応では、部下は発言しなくなります。

代わりに、「面白い視点ですね」「まずは詳しく聞かせてください」と受け止めることで、心理的安全性が高まります。もちろん全てを採用する必要はありません。しかし、一度受け止めてから対話することで、信頼関係は大きく向するのです。

3.「人を動かす」話し方を実践する

目的共有で部下を動かす

管理職になったばかりの人は、「上司だから指示すれば動く」と思いがちです。しかし現代の組織では、命令だけでは人は動きません。部下が主体的に行動するためには、「なぜこの仕事をするのか」「どんな価値があるのか」という目的を共有する必要があります。

例えば、「この資料を作ってください」ではなく、「この資料は来期の予算獲得に重要です」と伝えるだけで納得感が生まれます。目的を伝える話し方は、部下のモチベーション向上にもつながります。

感謝と承認を言葉にする

管理職になると、部下の成果を評価する立場になります。しかし、多くの管理職ができていないのが「感謝と承認」です。部下は給与だけで働いているわけではありません。自分の努力を認めてもらいたいという欲求を常に持っています。

難しいことではありません。「ありがとう」「助かりました」「よく頑張りました」「成長していますね」といった言葉が大切なのです。ただこれだけでも、チームの雰囲気を大きく変えることができます。感謝と承認、これを惜しまないでください。

話し方教室・専門家の視点/酒井学院長の一言

管理職としての成果は、専門知識もさることながら、それ以上にコミュニケーション力によって大きく左右されます。今は優れた管理職でも、彼が生まれつき話し方が上手だったわけではありません。彼らも日々の仕事の中で、対話力・傾聴力・説明力を意識的に磨いてきたのです。

管理職1年目のあなたは、コミュニケーションを学ぶ絶好のタイミングにあると言えます。ですから、ぜひ、自身の話し方を見つめ直して意識的に改善してください。話し方を磨くこと、実はそれは、リーダーシップを磨くこととイコールなのです。

日本コミュニケーション学院 創設者・学院総長 酒井美智雄

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