「プロジェクト開始時にチームを鼓舞するスピーチ術|話し方教室が教えるリーダーの伝え方」(じっくり教養 話し方教室東京)

新しいプロジェクトが始まるとき、リーダーがどんな言葉をチームに投げかけるかは、その後の進行スピードや雰囲気、生み出される成果に大きく影響します。

プロジェクトのキックオフスピーチは単なる挨拶ではなく、チームの「心のスタートスイッチ」を押す重要な役割を持っています。メンバーの心理的安全性とエンゲージメントを高めるうえで欠かせない要素となります。

今回は、プロジェクト開始時にチームを鼓舞するためのスピーチに際し、リーダーが押さえるべきポイントを解説します。

1.プロジェクトの目的と意義を言語化する

スピーチで最初に伝えるべきは、「なぜこのプロジェクトを行うのか」という目的と意義です。目的が曖昧なまま進むプロジェクトでは、チームは迷い、モチベーションを維持できなくなります。

目標と大義を語る

例えば「売上向上」だけではなく、「市場の課題を解決し、顧客の働き方をより良くする」といった社会性・価値の視点を加えることです。「何のために取り組むのか」が明確になることで、人は行動に意味を見出すことができます。

感情に訴える

人は「理屈」だけでは動きません。「このプロジェクトを成功させたとき、私たち自身が誇れること」それが成果です。「一緒にこの挑戦を形にしよう」といった感情を刺激する言葉を交えることで、チームの心が前に向きます。

2.メンバーへ信頼と期待を明確に伝える

リーダーはチームに信頼と期待を伝えます。「信頼・期待は伝えなければ伝わらない」ことを忘れないでください。リーダーがチームに信頼を示すことで心理的安全性が生まれ、また、期待を伝えることで主体的な行動が引き出されます。

メンバーに役割と必要性を伝える

「あなたの強みがプロジェクトを支える」「この分野ではあなたに頼りたい」そんなふうに具体的に伝えることで、メンバーは“自分は必要とされている”と実感します。

挑戦する姿勢を評価すると伝える

「成功は挑戦の積み重ねの先にある。このプロセスでの工夫を称賛したい」と伝えることで、メンバーはいくらか失敗しても萎縮せず、前向きに取り組むことができます。リーダーが「挑戦を歓迎する姿勢」を示すことは、チームの成長を促します。

3.リーダーの姿勢・覚悟をメンバーに示す

どんなに言葉を尽くしても、リーダー自身の態度に本気さが感じられなければ、チームはついてきません。スピーチは「リーダー自身の姿勢を見せる場」でもあります。

不安や覚悟を共有する

「このプロジェクトはかなり難しい。それでも一緒に成し遂げたい。」弱さも覚悟も同時に見せることで、チームとの一体感は強くなります。完璧な人間より、共に挑むリーダーに人は共感します。

話し方・伝え方で説得する

落ち着いたスピードで、相手に届く声量で、かつ、一人一人と視線を合わせる。言葉の内容だけでなく、「どう伝えるか」その話し方がメッセージの説得力を左右します。

話し方教室の視点/酒井学院総長の一言

プロジェクト開始時のスピーチは、チームのムードをつくり、信頼関係の土台を築く場といえます。

目的を明確にし、信頼と期待を言葉で示し、自らの姿勢を示す。この3つを押さえたスピーチは、チームにエネルギーと方向性を与えます。言葉は、組織を動かす力になるのです。リーダーの一言から、プロジェクトは加速していくのです。

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