話し方教室 教養講座-聴衆を引き付けるストーリーテリングのコツ!


ストーリーテリングとは、物語によって相手に伝えたい想いやコンセプトを印象付ける手法です。 実は、古くから人類は、この方法を活用して、情報を伝達し、結束を深め、文化を育んできました。

ストーリーテリングは、特にパブリックスピーキングの場で聴衆を惹きつける強力な方法になります。

ストーリーテリングは、聴衆分析から

ストーリーテリングの第一歩は、聴衆分析です。

聴衆との関係性を深めるには、まずは聴衆が誰であるかを理解し、それに合わせた内容を用意することが重要です。聴衆の興味や関心、背景知識を把握し、それに応じて話すことで、より深い共感や関心を引き出すことができます。

そのために、聴衆の関心事を事前に調査し、それを話の中で物語として取り上げる必要があります。自分の経験や感情を物語として伝えることで、聴衆は物語に没入し、その結果、共感を得やすくなるのです。

物語の構成を単純・明確にする

物語は、始まり、中盤、終わりという単純、明確な構成にすることが肝心です。シンプルな構成が、聴衆を惹きつけ、最後まで興味を持続させることにつながります。

具体的には、物語の始まりに、聴衆の注意を引きつけるフック(引っかかり)を用意します。興味深い事実、予期せぬ問いかけ、強烈なイメージなどを用いて、聴衆の好奇心を掻き立てます。

続いて、物語の中盤では、登場人物の紹介、状況設定、問題の提示などを行い、物語を豊かに展開します。聴衆が物語の中で何かを学び、感情移入できるようにします。

そして、終盤・クライマックスでは、最大の問題状況を提示し、その解決を通じて物語を締めくくります。聴衆に満足感を与え、記憶に残る結末を作り出します。

表現力とパフォーマンスを磨く

ストーリーテリングでは、単に話をするだけではなく、どのように伝えるかが重要です。話の内容だけでなく、表現力やパフォーマンスにも注力する必要があります。

例えば、声のトーンとペース、つまり話す速さや声の高低を変えることで、物語に感情や緊張感を加えることができます。静かなささやきから、強い命令口調まで、声のトーンを使い分けることで、聴衆の感情を動かすことができます。

また、ボディランゲージ、身振り手振りは、話を強調するだけでなく、物語の一部を視覚的に示すことができます。適切なボディランゲージは、聴衆とのつながりを強化し、より鮮明なイメージを提供します。

さらに、ストーリーテリングにおいて、視覚的な要素を取り入れることも有効です。プレゼンテーションスライド、写真、動画などを使うことで、聴衆の理解を深め、記憶に残りやすくなります。

話し方教室の視点/今日の一言
「パブリックスピーキング上級者は、ストーリーテリング能力を磨け」

スピーチやプレゼンテーションの際に、物語を通じて、情報を伝え、感情を共有するストーリーテリングは、話し手と聞き手を一体化する強力なコミュニケーションスキルといえます。

上述したコツを実践することで、あなたのストーリーテリングは、より魅力的で、聴衆に深い印象を残すものにすることができます。

スピーチ、プレゼンの上級者を自負する人は、自分自身のストーリーテリングの能力をさらに磨き、高めて行ってください。

学院総長 酒井美智雄

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