「話がわかりやすい上司になるには|話し方教室が教える”伝わる説明・指示”の基本」(じっくり教養 話し方教室東京)


部下に説明したのに、意図が伝わっていない」「何度も同じことを聞き返される」「指示した通りに仕事が進まない」。そんな悩みを抱える管理職は少なくありません。

しかし、その原因を部下の理解力だけに求めるのは早計です。実は、上司の「話し方・伝え方」を変えるだけで、部下の理解度や行動は大きく変わるからです。

話がわかりやすい上司とは、単に説明が上手な人ではありません。相手が理解しやすい順番と言葉で伝えられる人です。今回は、「話がわかりやすい上司」になるための基本を解説します。

1.結論ファーストで話す

上司の話し方で最も大切なのは、部下に「何の話なのか」「何をすればよいのか」を早く理解してもらうことです。その基本が、結論ファーストです。

結論→背景の順で話す

話がわかりにくい上司は、背景や経緯から長々と説明しがちです。「昨日、営業部と会議をして、その中でいろいろ意見が出て……」これでは部下は「何の話だろう?」と考えながら聞かなければなりません。

そこで、「営業との会議の内容を共有します。一言で言えば、予定納期の連絡を早めて欲しいとのことです。その背景として○○や△△の問題が最近発生していることがあります」このように結論→背景・経緯の流れで話すだけでも、上司の話は格段にわかりやすくなります。

結論→理由の順で話す

また、部下に業務改善を求めるなら、「今後、報告は早めにしてください(結論)。問題が小さい段階で対応したいからです。今回も昨日の時点で相談してくれれば、クレームにはなりませんでした(理由)。何か引っかかると思った段階ですぐ報告してください」と伝えます。

そうすることで、上司自身の頭も整理され、伝わる説明になります。

2.要点を絞って具体的に伝える

話がわかりやすい上司には、「情報を整理する力」があります。知っていることを全部話すのではなく、部下に必要な情報を選んで伝えることが重要です。

要点を絞って伝える

一度に多くの情報を伝えると、重要なポイントが埋もれてしまいます。そこで、「大事なポイントは3つです」と最初に示すことです。たとえば、「今回の企画で大事なのは、①顧客ニーズ、②コスト、③スケジュールの3点です」と整理します。

さらに、一文を短くすることも重要です。上司が接続詞を重ねながら長文で話すと、部下は途中で要点を見失います。「一文一意」を意識し、一つの文では一つの内容を伝える。この習慣が、簡潔でわかりやすい話し方につながります。

具体的に伝える

「なるべく早くやって」「しっかり考えて」「いい感じにまとめて」こうした指示は、上司にはわかっていても部下には曖昧です。そこで、「早め」ではなく「明日の15時まで」、「簡潔に」ではなく「A4一枚に要点を3つ」、「しっかり確認」ではなく「数字と納期を再確認」と具体化します。

また、専門用語や難しい言葉を多用せず、相手の経験や知識に合わせた言葉を選ぶことも「伝わる話し方」の基本です。

3.質問で確認・傾聴で信頼関係構築

上司のコミュニケーションは、話して終わりではありません。「私は説明した」ではなく、「相手に伝わった」までがコミュニケーションと考える必要があります。そのために欠かせないのが質問と傾聴です。

質問で部下の理解を確認する

わかりにくい上司は、自分が話すことに集中します。一方、わかりやすい上司は、部下の表情や反応を見ながら話します。「ここまででわからないところはある?」「どう理解した?」「進めるうえで問題になりそうな点は?」と問いかければ、理解度を確認できます。

特に重要な指示では、「わかった?」だけで終わらせないことです。部下が「はい」と答えても、上司と部下で理解が異なっていることがあります。部下自身の言葉で要点や次の行動を話してもらえば、認識のズレを早い段階で修正できます。

傾聴で信頼関係を育てる

話がわかりやすい上司になるには、「聞く力」も欠かせません。部下の話を途中で遮らず、最後まで傾聴する。そして、「こういう理解でいいかな?」と要約して返します。

傾聴する上司には部下も質問や相談をしやすくなります。わかりやすい話し方と双方向のコミュニケーションは、部下との信頼関係や心理的安全性を高め、部下育成にもつながるのです。

話し方教室・専門家の視点/酒井学院長の一言

話がわかりやすい上司になるために、難しい話術は特段必要ありません。それよりも”意識”が重要です。つまり、「自分が何を話すか」を意識するよりも、「部下がどう理解したか、そして、どう行動するか」に意識を向けることです。

ですから、「説明したから終わり」ではなく、部下が迷わず次の行動に移れる状態まで伝える。それこそが、話がわかりやすい上司のコミュニケーションなのです。

上司の話し方が変われば、部下の理解が変わる。部下の理解が変われば、行動が変わる。そして、チームの成果も変わっていくものです。

日本コミュニケーション学院 創設者・学院総長 酒井美智雄

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