話し方教室「会話能力を失う認知症に対し、グループでの言語介入治療法を開発」

PPA患者は誤った言葉の置き換えや発音に苦労、単純な言葉の理解も困難

カナダの脳機能研究機関であるベイクレスト健康科学ロットマン研究所は5月4日、会話能力を失うというレアなケースの認知症に対し、グループでの言語介入という新たな治療方法を開発したと発表した。

同治療の対象となるのは、原発性進行性失語症(PPA)という疾病。誤った言葉の置き換えや発音に苦労したり、単純な言葉を理解することに対して困難が伴ったり、身近なものや人の名前を忘れてしまったりするといった症状が出る。

PPAの患者は、記憶力よりも前に言語機能が衰えるため、アルツハイマー病の逆の疾病といえる。

治療介入では、言語活動やコミュニケーション方法の学習等を実施

RRIのリジャイナ・ジョッケル博士は、PPAの患者とその介護者を対象としたグループ治療法を開発。

10週間の治療介入では、言語活動やコミュニケーション方法の学習、患者と介護者双方に対するカウンセリング等が実施される。同プログラム中、患者のコミュニケーション能力は、衰えないか改善したという評価を受けた。

介護者もまた、PPAとその進行に関する知識を得ることができ、心理社会的な問題やコミュニケーション上の課題に対処するためによりよい準備ができると報告した。この方法は、アルツハイマー病にも発展しうる軽度認知障害といった他の患者に対しても、コミュニケーションに関する問題を治療するのに役立つという。

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