「多様な意見を整理してまとめる方法:ファシリテーションでチームを動かす技術」(1分間 話し方教室東京)
会議やディスカッションの場では、参加者の意見が多様であるほど話し合いが活発になりますが、一方で議論が脱線したり、結論が出ないまま終わることも少なくありません。
こうした場面で求められるのが「ファシリテーションの技術」です。このスキルは、単なる進行役ではなく、参加者の意見をうまく整理し、共通点を見出し、合意形成へと導く「議論に不可欠」な技術といえます。
今回は、多様な意見をうまくまとめてチームを動かすための実践的ファシリテーション技術をご紹介します。
1. 多様な意見を「見える化」する
意見を視覚化し混乱を防ぐ
ファシリテーションでまず重要なのは、「誰が、何を、なぜ言っているのか」を明確にすることです。ホワイトボードや付箋、あるいはオンラインツールなどを活用して、出た意見をその場で書き出します。これにより、全員が議論の全体像を把握しやすくなり、発言も活性化します。
意見を分類し構造化する
視覚化した意見は、「目的別」「メリット・デメリット」「実現可能性」などの軸で整理します。このように分類・構造化することで、議論が論点ごとに深まり、ひいてはディスカッションもしやすくなり、結論を導きやすくなるのです。
2. 中立的に進行し、発言を引き出す
発言者の偏りをなくす
会議では、話しやすい人ばかりが目立ってしまうことがあります。そこでファシリテーターは「○○さんはいかがですか?」といった促しで、沈黙している参加者にも意見を求めましょう。これにより、多様な視点が引き出され、議論の質が高まります。
感情的な発言を言い換える
意見が対立し、感情的な表現が出てきた場合には、「攻撃的な言葉」を「建設的な表現」に変換することも必要です。例えば「それは違う!」という人が出てきたら、「なるほど、もう一つ、別の見方もあるとおっしゃるのですね」といった柔らかな言い回しをしてみます。つまり、言い換えの技術もファシリテーションでは重要なスキルになります。
3. 合意形成をリードする
対立する意見に共通点を見出す
対立しているように見える意見でも、よくよく聞けば「目的」や「目指すところ」が共通していることがあります。ファシリテーターは、そうした意見の根底にある共通点を見出し、「では、この目的を共有した形で進める方法はありませんか?」と再構築していきます。
「仮決定」で進める柔軟性も
会議で完璧な結論を出そうとすると、逆に停滞することがあります。そこで、「今回はまずこの方向で仮に進めてみましょうか」とひとまずの合意を目指すのも効果的です。実行しながら改善していく柔軟性はファシリテーターにも必要になります。
話し方教室の視点/酒井学院総長の一言
多様な意見を整理してまとめる力は、あらゆるビジネスシーンやチーム運営に欠かせないスキルといえます。そして、それを実現するファシリテーション技術は、簡単ではありませんが、訓練さえすれば、多くの方が習得可能な「ディスカッションスキル」でもあります。
どうぞ、リーダーの皆さん、進んでファシリテーション技術を身に付けてください。そうすることで、あたなのリーダーシップが、パワーアップされることは間違いありませんから。
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