「部下を動かす叱り方:信頼を深める3つの確認ポイントと話し方技術」(1分間 話し方教室東京)
〜感情に頼らない“伝える力”で、部下の成長を促す〜
「つい感情的に叱ってしまった…」「叱ったはずなのに、部下の行動が変わらない…」そんな悩みを持つリーダーや管理職の方は少なくありません。
叱るという行為は、間違えれば相手のモチベーションを下げ、信頼関係を損ねてしまうリスクもはらんでいます。しかし逆に、正しく叱ることができれば、部下を動かし、信頼を深めるコミュニケーションのチャンスにもなります。
今回は、叱る前に必ず押さえておきたい3つの確認ポイントと、相手に伝わる話し方のコツを解説します。
1. ミスの背景を考え、状況に応じた対処
叱る前にまず必要なのは、「なぜその行動が起こったのか?」という視点を持つことです。
ミスの背景を考える
業務のミスや納期の遅れの裏に、実は業務負荷の偏りや情報共有の不備など、組織的な課題が隠れていることもあります。
叱ることだけに焦点を当ててしまうと、根本解決にはつながりません。まずは、個人を責めるのではなく、構造に目を向ける視点が、部下との信頼構築に不可欠になります。
状況に応じて対処する
部下が新しい環境や業務に慣れていない段階で失敗した場合は、「叱る」よりも「教える」姿勢が重要です。こうした状況に応じた“伝え方の切り替え”がリーダーには求められています。
2. 自身の感情を整理し、叱る目的を明確化
部下を動かす叱り方は、「怒り」ではなく「意図」を伝えることから始まります。
冷静になり自分の感情を整理する
怒りは期待が裏切られたときに生まれますが、それをそのまま伝えるのは逆効果です。まずは冷静に自分の感情の根っこを整理し、「何が問題だったのか」を客観的な事実として伝える準備をしましょう。
叱る“目的”を明確にする
「何のために叱るのか?」この問いに答えられないまま言葉を発するのは危険です。たとえば、「同じミスを防ぎたい」「チーム全体への影響を考えてほしい」など、目的主導で伝えることで、相手は話を建設的に受け取ることができます。
3. 伝える環境に配慮し、「行動」のみを指摘
叱る行為の“印象”は、内容そのものよりも「どのように」「どんな言葉で」伝えたかで決まります。
1対1で話せる環境づくりを
人前で叱られると、部下は恥ずかしさや反発心を覚えがちです。信頼関係を維持するには、プライベートな空間での対話が基本です。そして、叱るというより、“対話を通じて気づかせる”姿勢が求められます。
行動を指摘し、人格は否定しない
「なんでこんなこともできないんだ」ではなく、「この部分をこうするともっと良くなるよ」といった行動改善にフォーカスした言葉選びが重要です。「人ではなく行動を指摘する」ことが信頼を築く伝え方の基本です。
話し方教室の視点/酒井学院総長の一言
部下を動かす叱り方には、思いやりと技術の両立が必要です。感情に流されず、相手を理解し、適切な言葉で伝えることで、ただの叱責が「成長のきっかけ」に変わるのです。
ぜひ、日々のコミュニケーションに上記のポイントを取り入れてみてください。あなたの“叱り方”が、きっと大きく変わるはずです。
■ 記事関連・話し方講座/話し方教室・目的別・話し方講座一覧
■ 1分間 話し方教室 提供/©話し方教室の名門・日本コミュニケーション学院(東京)/話し方教室コラム・スタッフ委員会/酒井学院総長監修