「話し方教室で学ぶ!スライドに頼らないプレゼンテーションの極意」(1分間 話し方教室東京)
「スライドがなければ話せない」と感じていませんか?
確かに、図や文字で補足できるスライドは便利なツールですが、依存しすぎると、プレゼンの本質である“話し手の存在”が弱くなってしまいます。
スライドに頼らずとも聴衆の心を動かすスピーチ力を身につけることが、伝える技術の真骨頂と言ってよいでしょう。そこで、今回は、スライドなしでプレゼンを成功させるための極意を解説します。
1. 視線とジェスチャーで聞き手を引きつける
視線を“Z”に動かす
プレゼン中に視線が固定されていると、どうしても話が一方向になりがちです。
そこで本学では、一つの方法として視線を“Z字型”に動かすことを勧めています。そうすることで、聴衆全体にまんべんなく話しかける印象を与えることができます。話し手と目が合ったと感じた聴衆は、自然と話に集中しやすくなるものです。
ジェスチャーと「間」を意識
言葉だけでは伝わりにくい概念も、手の動きを加えることで具体性が増します。たとえば「成長」を語る際に上へ伸びる動作をすれば、聴衆の視覚に訴える効果が生まれます。
さらに、重要な言葉を述べた後に一呼吸の「間」を置くと、その言葉の重みが増し、印象に強く残ります。こうした非言語的な表現は、スライド以上に聴衆の記憶に残るのです。
2. 声を操り聞き手の注意を持続させる
キチンと”声”を届ける
スライドなしのプレゼンでは、話し手の「声」そのものが最大の武器になります。腹式呼吸で、お腹から声を出すことで聴き手に届く声になります。声がしっかりしていると、堂々とした印象と信頼感を与えることもできます。
声のトーン・スピードを調整する
単調な話し方では、どれほど内容が良くても聴衆の集中力は途切れてしまいます。だからこそ、声のトーンや話すスピードを意図的にコントロールすることが求められます。
たとえば重要なキーワードの前後ではあえてゆっくり話し、強調部分では声をやや低めに落とします。そうすることで、聴き手の注意を引き付けることができます。こうした「音のメリハリ」がある話し方こそが、スライドに頼らない伝え方の基本になります。
3. 構成を練りストーリーを語り聴衆の記憶に残す
わかりやすいプレゼンの構成と流れ
スライドがなくても話に一貫性があれば、聴衆はしっかりと内容を理解し、納得します。そこで大切なのが話の構成です。
たとえば「PREP法」という技法があります。これは「Point→ Reason→ Example→ Point」の順に話を組み立てる方法です。話の構成がしっかりしていると、プレゼンの流れが明快になり、聴衆の納得感も高まるのです。
ストーリーを語り記憶に残す
そして、プレゼンを印象的に終えるためには、感情に訴えるストーリーが有効です。成功談だけでなく、失敗談や試行錯誤のプロセスを共有することで、聴衆との心理的距離が縮まります。
たとえば「以前、資料に頼りすぎてうまく話せなかったが、視線と声の使い方を変えたことで反応が劇的に変わった」といった体験談は、リアルで共感を呼びやすく、聴衆の記憶にも強く残ります。「話し手の人間性を伝えること」は、スピーチ成功のカギなのです。
話し方教室の視点/酒井学院総長の一言
プレゼンテーションにおいて真に大切なことは、スライドの枚数やデザインではなく、**“話す人の伝える力”**そのものです。
そして、スライドに頼らないプレゼンには「視線とジェスチャー」「声」、そして「構成」という三つの柱があります。いずれも、重要な基礎でありながら、実践においては高い成果を発揮する要素といえます。
ぜひ一度、スライドをあえて使わず、自分の話し方だけで勝負してみてください。そこには、あなた自身の魅力がダイレクトに伝わる、新しい表現の世界が待っているはずです。
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