「朝礼がうまいリーダーはチームを伸ばす:話し方で組織力を高める方法」(1分間 話し方教室東京)


〜話し方教室が教える、言葉と習慣の力〜

朝の10分間で、チームの組織力は大きく変わる——それが「朝礼」の持つ力です。

朝礼は単なるスケジュール確認の時間ではなく、リーダーの話し方ひとつで、信頼を築き、組織全体の方向性を整え、職場の空気さえも好転させる場でもあるのです。

朝礼は「リーダーシップとコミュニケーションの接点」です。今回は、「朝礼がうまいリーダー」になるための話し方のポイントを解説します。

1. 朝礼で「心理的安全性」を生み出す

心理的安全性が高いチームは、自然と発言や行動が活発になります。朝礼は、その土台づくりの第一歩。リーダーの話し方によって、メンバーが「このチームなら安心して行動できる」と感じられる空気をつくることが可能になります。

肯定的な語り出しで安心感を与える

「昨日の報告、よくやってくれました」「朝から元気な姿を見て安心しました」

こうしたポジティブな言葉でスタートする朝礼は、自然とメンバーの表情もほぐれ、心理的な安心が広がります。リーダーは「肯定ワードの引き出し」を増やす必要があるのです。

ちょっとした雑談で緊張を解く

天気や通勤中の出来事、季節の話題など、堅苦しくない雑談を少し加えるだけで、場の緊張感は和らぎます。スモールトークは“話すきっかけ”を生み、発言しやすい空気を作ります。

「雑談力」もリーダーの重要なスキルと心得てください。

2. リーダーの言葉がチームの価値観・行動を形づくる

リーダーの言葉がチームの価値観や行動の軸を形づくります。朝礼は、その価値観を繰り返し浸透させる貴重な場です。

ビジョン・行動指針を繰り返し伝える

「私たちのミッションは◯◯です」「この1週間は“挑戦”を意識していきましょう」

こうした発信を継続することで、ビジョンや行動の方向性が自然とチームに浸透していきます。「繰り返しの言語化」はリーダーシップに不可欠なものです。

ミスや失敗も“学び”に変換して伝える

たとえば、「昨日のミスは、より良いフローを考える機会になりました」といったように、負の出来事も“学びの言葉”に変えて伝えると、メンバーの捉え方が前向きになります。

これは、「意味づけの技術」です。仕事は、いつもうまくいくわけではありません。仮に失敗しても、そこから”学び”を得ることが重要なのです。

3. 朝礼が「行動基準」や「組織文化」を育む

うまい朝礼を続けるリーダーは、自然と“共通言語”を生み、メンバーの行動のベースをそろえることができます。

的確なキャッチフレーズを生み出す

「スピード・共有・笑顔」など、短い言葉を朝礼で繰り返すだけで、現場での判断基準がそろいます。こうした「短い言葉」はインパクトがあります。

短いキャッチフレーズを生みだすことも、リーダーシップの要素と心得てください。

朝礼でメンバーの伝え方を育てる

毎朝の朝礼で、リーダーやメンバーが1〜2分のスピーチを交代で行う文化があれば、自然と伝える力も育ちます。また、話すことに自信を持ち、相手にどう伝わるかを意識する姿勢を組織に根づかせることができます。

朝礼スピーチを「実戦の話し方トレーニング」の場として導入することには意味があるのです。

話し方教室の視点/酒井学院総長の一言

朝礼は、チームにとって「毎日の原点」となる場です。その時間を“うまく使えるリーダー”こそが、組織を強くし、チームの一体感を育てていきます。

本学でも、朝礼を通じて、リーダーの「伝える力」「引き出す力」「まとめる力」を高めるサポートをしています。

思うに、「朝礼がうまい」とは、話し方がうまいというだけではありません。それは、言葉でチームを育てる力を持っている、その証である、そう言っても過言ではないでしょう。

■ 記事関連・話し方講座/話し方教室・目的別・話し方講座一覧

■ 1分間 話し方教室 提供/©話し方教室の名門・日本コミュニケーション学院(東京)/話し方教室コラム・スタッフ委員会/酒井学院総長監修