「チーム目標を共有する伝え方:話し方教室で学ぶ!巻き込み型リーダーの話し方」(1分間 話し方教室東京)


どんなに優れた戦略や施策があっても、それを動かすのは“人”です。そしてその人たち——つまりチームメンバーの力を最大化するには、**目標の「共有」と「共感」**が不可欠です。

しかし、よくあるのが「目標は伝えたつもりだったけど、動きがバラバラ」「メンバーのやる気が見えない」という悩み。それは“伝え方”の問題かもしれません。

リーダーには、単に数字や指示を伝えるのではなく、メンバーを巻き込み、目標を自分ごととして捉えてもらう話し方が求められます。

今回は、チーム目標を共有するための伝え方のコツを解説します。

1. 目標の「背景」を語り「自分ごと」化

チームが一つになって動くためには、目標の“背景”や“価値”まで含めて共有することが大切です。メンバーが「自分にも関係がある」と思えるかどうかが、行動のスイッチを押すポイントです。

数字と合わせて「背景」「目的」を語る

「今年は売上1.5倍を目指します」と言われても、現場はピンと来ません。むしろ「また無理を言って」という反発心すら生まれます。ここで大切なのは、その数字の「背景と意味」を語ることです。

たとえば、「競合が参入を加速させている今、市場の主導権を握るチャンスです。そのために、今期は積極的に新規開拓に注力したい」と話すと、目的が明確になり、チームにも“納得感”が生まれます。

目標をメンバーの「価値」につなげる

そして、ただ「やって」と言うのではなく、「相手にとってのメリットで語る」ことが重要です。つまり、目標の“個人ベネフィット化”です。

たとえば、「この案件を成功させることで、あなたが社内プロジェクトを牽引した経験として評価される」と伝えることで、メンバーは目標を“自分の成長機会”として捉えます。

このように、「会社のため」から「自分のため」へと視点をスライドさせるのが、共感を引き出すコツなのです。

2. 「質問」で主体性を引き出し巻き込む

目標共有とは、一方通行の「通達」ではありません。本当に伝わるリーダーの話し方は、相手の声を引き出し、対話で目標を共有します。

質問で当事者意識を引き出す

「この目標を達成するために、あなたならまず何に着手しますか?」このような質問を投げかけることで、相手は「自分が何をするか」を考え始めます。これが、主体性のスイッチです。

「問いかけによって相手の中に答えを引き出す」ことが、巻き込み型リーダーの基本スキルです。問いがあることで、相手の思考は動き出し、自ら動く力が生まれます。

意見を「チーム方針」に昇華させる

意見をもらっても、「それは違う」とすぐに否定してしまうと、次からは発言しなくなります。そこで、重要なのは、「それも一つの見方ですね」と受け止めつつ、「では、それをチーム全体の動きにどうつなげていくか?」と展開することです。

これにより、話し合いの中に一体感が生まれ、目標が“自分で作ったもの”に変わります。この“共創感”こそが、行動への本気度を高めます。

3. ストーリーと熱意で「感情」に訴求する

論理だけでは人は動きません。目標を「イメージできる」状態にすること。そして心を動かす話し方が、チームの行動を加速させます。

感情に訴えるストーリーテリング

人は「物語で語る」ことを好みます。たとえばこんなふうに語ると、聞き手の心に火がつくでしょう。

「もしこのプロジェクトが成功すれば、クライアントからの信頼は一気に高まり、私たちにしか任せられない案件が増えていく。想像してみてください。達成した日、皆で拍手しながら笑い合っている姿を——」

数字目標を目に見える“情景”に変えることで、人はその未来を“自分のこと”として思い描けるようになるのです。

「熱量」と「表情」を乗せて語る

どんなに良い内容でも、棒読みで伝えたら心には響きません。声に抑揚をつけ、目を見て話し、手ぶりを添える——こうした非言語の要素が、あなたの本気を伝える手段となります。

話し方教室の視点/酒井学院総長の一言

「内容より感情が先に伝わる」という原則をご存じでしょうか。つまり、“言葉の前に、あなた自身の情熱を届けること”が、信頼と行動を引き出すために重要になるのです。

チーム目標の共有は、「伝える」ではなく「伝わる」ことが肝心です。そして「伝わる」ためには、自分ごと化・巻き込み・感情訴求という3つの観点からアプローチすることが大切です。

あなたも“伝える力”をぜひ磨いてください。そして、チームを動かすリーダーとして成長していってください。

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