「部下が動く!管理職に必要なアンガーマネジメントと話し方の基本」(1分間 話し方教室東京)


管理職としてチームをまとめ、成果を出すうえで欠かせないのが「部下が自発的に動く環境づくり」です。そのカギを握るのが、感情をコントロールしながら効果的に伝える「話し方」。

とくに近年は、「アンガーマネジメント」を踏まえたコミュニケーション力が、信頼されるリーダーに求められています。

怒りや苛立ちをそのまま言葉にしてしまえば、たちまち部下のモチベーションを下げ、関係性を損ねてしまいます。反対に、冷静に目的をもって伝える話し方を身につければ、部下の成長とチームの成果に直結するのです。

今回は、管理職にとって重要な「アンガーマネジメントを活かした話し方の基本」を解説します。

1. 感情で叱らず理性で叱る

怒りのままに話してしまうと、言葉の力は破壊的になります。まずは「なぜこの話をするのか」という目的に立ち返ることが大切です。

怒りを鎮める「6秒ルール」

アンガーマネジメントの基本は、怒りのピークをやり過ごすこと。人は怒りを感じてから6秒がもっとも爆発しやすいといわれています。そこで、「6秒待つ」習慣が大事になります。深呼吸をして、気持ちを落ち着かせてから話し始めることです。それだけで印象は大きく変わります。

叱る「目的」を明確にする

部下を叱るとき、つい感情に任せて言葉が強くなってしまいがちです。しかし、目的が「指導して成長を促すこと」にあるならば、「どう伝えるのが効果的か」を冷静に考える必要があります。

感情よりも“意図”に基づいた伝え方が重要なのです。

2. 相手目線の言葉選び

感情を抑えるだけでは、良いコミュニケーションとは言えません。相手が「どう受け取るか」を意識した言葉選びも、話し方の基本です。

否定よりも「提案」

たとえば、「なんでできないんだ!」という叱責は、相手を萎縮させてしまいます。これを「次はこうしてくれると助かるよ」と伝えれば、建設的な提案として受け取られます。アンガーマネジメントでは、「否定」ではなく「要望」に変換することがポイントです。

アイ・メッセージ

「あなたは遅い」ではなく、「私は時間を大切にしたいと考えている」と言えば、相手を責める印象は和らぎます。こうした私を主語にした“アイ・メッセージ”は、信頼構築のための大切なスキルです。

3. 言語・非言語コミュニケーションを意識的に用いる

部下が自発的に動くためには、指示や命令だけでは不十分です。対話を促す工夫が、管理職としての話し方に求められます。

部下に考えさせる問いかけ

「どうしてこうなったと思う?」「次はどんな工夫ができそう?」など、問いかけることで部下に考える機会を与えると同時に、対話が生まれます。「問いかけは信頼への入口」と言われるように、リーダーに必要なコミュニケーションスキルになっています。

声・表情・態度もコミュニケーション

話し方や伝え方は言葉だけではありません。冷静なトーン、穏やかな表情、落ち着いた態度は、相手に安心感を与えます。怒りを我慢していても、険しい表情のままでは相手は委縮してしまいます。

そこで、言語と非言語のバランスを意識することが重要になるのです。

話し方教室の視点/酒井学院総長の一言

アンガーマネジメントを取り入れた話し方は、管理職にとって単なる「感情コントロール術」ではありません。それは、部下が安心して意見を言え、行動に移しやすくなる信頼関係を築くための「伝え方の戦略」とでも言えるものです。

怒りたくても、怒りを抑え、目的を持ち、相手に寄り添った言葉を選ぶこと。そうすることで、あなたの言葉は“部下を動かす力”に変わります。

今日からぜひ、あなたの話し方にもアンガーマネジメントの視点を取り入れてみてください。部下の行動が変わるはずです。

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