「話し方教室で学ぶ!ディスカッション能力を高める基本」(1分間 話し方教室東京)


ビジネスの現場では、ディスカッションに苦手意識を持つ人が少なくありません。会議やミーティングの場で「何をどう話せばいいか分からない」「発言のタイミングがつかめない」「つい黙ってしまう」と悩む人は多く、これは決して性格だけに起因する問題ではありません。

ディスカッションにはスキルが必要なのです。そのスキルは、生まれつきの才能ではなく“トレーニングによって伸ばせます。

今回は、「ディスカッション能力を高めるための基本」をわかりやすく解説します。

1.傾聴とリアクションがディスカッションの土台

アクティブリスニング

ディスカッションで最も重要な力のひとつが「傾聴力」です。相手の話を最後までしっかりと聞く、内容を理解しようと努める、その姿勢自体が、安心感と信頼を生みます。

さらに、相手の発言の内容を肯定的に受け取ることで、議論の場が柔らかくなり、対立ではなく共創の空気が生まれます。傾聴の力は、発言する力と同じくらい、否それ以上に大切になります。

パラフレーズ

相手の意見を自分の言葉で言い換える「パラフレーズ」は、深い理解と尊重の証です。たとえば、「つまり◯◯ということですね」と返すだけで、相手に「伝わっている」と感じてもらえ、議論の次のステップへ進みやすくなります。

これにより、意見の食い違いや誤解も未然に防げます。

2.論理的構成で話の納得感を高める

筋道だった構成

効果的な発言には「構成力」が不可欠です。ビジネスでよく用いられる方法の一つに、PREP法があります。これは、――Point(主張)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論)という順番で話す方法です。

このフレームを使うことで、相手にわかりやすく、納得感のある発言ができるようになります。

モレなくダブりなく構成

もう一つ重要なのが、MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)という考え方です。これは、モレなくダブりなく論点を分解する方法です。

これにより、話が脱線せず、他の人の反論も建設的な方向に向かいやすくなります。

3.合意に導くための姿勢とファシリテーションスキル

アサーティブ・コミュニケーション

ディスカッションでは、感情的になったり、逆に遠慮して黙ってしまったりする人がいます。その中間にあるのが「アサーティブ・コミュニケーション」です。これは、自分の意見を率直に伝えつつ、相手に配慮を示すコミュニケーションのあり方です。

たとえば、「私はこう考えます。でも他の意見も聞いてみたいと思います」といった感じ。これは自分の立場を明確にしながらも、相手を受け入れる姿勢を保っており、協調的な雰囲気を生み出します。

ファシリテーション・スキル

ディスカッションを建設的に進めるには、「場の進行」も重要です。発言のバランスを取ったり、話が逸れたら軌道修正したりといった“ファシリテーション能力”は、特にリーダーシップを問われる場面で欠かせません。

ファシリテーションの基本は、「議題の明確化→論点可視化→意見整理→結論の合意」という4ステップです。進行役でなくても、「今の話をまとめるとこうですね」「この点については皆さんどう思いますか?」といった進め方が、議論の質をグッと高めてくれます。

話し方教室の視点/酒井学院総長の一言

ディスカッション能力は、「聞く」「整理する」「伝える」の3つの力が相乗効果を生むことで高まるものです。どなたも、しっかりトレーニングすることでその能力を高められます。

ぜひディスカッション能力を高めて、職場の会議や商談、プレゼンの場でも自信を持って発言できるようになってください。

もし、からっきし自信がない方は、まずは「相手の話をしっかり聴く」ことから始めてみましょう。その一歩が、あなたのコミュニケーション力を飛躍的に高めるスタートになるはずです。

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