「『話しかけやすい上司』になる方法:職場の信頼関係を築くリーダーの話し方とは?」(1分間 話し方教室東京)


「何かあれば相談して」と言っても、なぜか部下が話しかけてこない──そんな悩みを持つリーダーは多いのではないでしょうか。実は、部下が話しかけるかどうかは、肩書きや能力よりも“話しかけやすい雰囲気”をリーダー自身が作れているかどうかに左右されます。

「話しかけやすい上司」は、職場の信頼関係を築き、心理的安全性の高いチームを実現します。これは、現代のリーダーシップにおいて不可欠なスキルになっています。

今回は、話しかけられる上司になるための具体的なコミュニケーション技術をご紹介します。

1. 表情・声・態度で「安心して話せる人」を演出

柔らかい表情が「話しかけやすさ」のサイン

忙しそうな表情や厳しい顔つきは、それだけで“話しかけにくい上司”という印象を与えてしまいます。話しかけやすい上司は、表情に“余白”があります。軽く口角を上げるだけでも、周囲に安心感を与える効果があります。

声のトーンとスピードを意識

威圧的に聞こえてしまう声のトーンや早口は、部下を遠ざける原因になります。少しゆっくりと、語尾を柔らかく話すだけで、聞き手に「話しても大丈夫」という印象を与えることができます。声を操る、これはリーダーに必要なスキルでもあります。

2. 話しかけやすい“雰囲気づくり”で心理的安全性を高める

デスクワーク中も時折周りを意識

常にパソコン画面に向かっていると、近づきがたい印象を与えてしまいます。時折周囲を見渡し、目を合わせたり、軽くうなずくだけでも、「話しかけても大丈夫」という雰囲気が生まれます。

雑談は信頼関係構築のスタート

話しかけやすい上司は、雑談の力を上手に使っています。「昨日の雨すごかったね」「ちゃんと寝てるかい」など、ちょっとした会話が、部下との距離を縮めます。雑談は信頼関係構築の第一歩です。

3. フィードバックでは「問いかけ」と「共感」を

 指導よりも“対話”を意識する

話しかけやすい上司は、フィードバックの際にも一方的な指摘ではなく「どう思った?」「どこが難しかった?」といった問いかけを多用します。これは、部下の考えを引き出す姿勢を示すことで、信頼関係の深化につながります。

ミスの指摘には“共感”を添える

「これは防げたはずだよね」だけではなく、「こういう場面、焦るのも無理ないよね」と共感の言葉を添えることで、部下は心を開きやすくなります。共感を含んだ伝え方をリーダーはスキルとして身に付けるべきなのです。

話し方教室の視点/酒井学院総長の一言

職場で信頼される上司になるには、話しやすさ・聞きやすさの両面が必要です。そして、その鍵を握るのが「日々の話し方・雰囲気づくり」です。

話しかけやすい上司になることは、単にコミュニケーションがうまくいくというだけでなく、職場全体の風通しを良くし、報告や相談が自然に行われる文化を育みます。

リーダーは、ちょっとした表情、声、問いかけが、職場の空気を一変させる力を持っていることを忘れてはなりません。

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