「他部署との連携を強化する報連相術:管理職が信頼を築く伝え方のコツ」(1分間 話し方教室東京)


管理職にとって、他部署との連携を円滑に進めることは、日々の業務をスムーズに進めるための重要なスキルです。どれだけ自部署のチームが優秀でも、他部門との情報共有や調整がうまくいかなければ、トラブルや非効率が生まれてしまいます。

そこで鍵になるのが、**報連相(報告・連絡・相談)**の質です。今回は、管理職が信頼を築くための報連相術をご紹介します。

1. 「報告」は“相手視点”で簡潔に伝える

結果・理由・次のアクションをセット

他部署に対する報告では、単なる数字や進捗だけでなく、「なぜ」「どうなるか」までを添えることが信頼構築のカギです。

例えば、「今週の進捗は80%です」だけで終わらせず、「進捗80%。理由は○○。このままなら今週末に納品可能です」と伝えることで、受け手の理解と判断を助けます。報告は“報告するための報告”ではなく、相手の意思決定をサポートする情報提供と捉えることが肝要です。

部門ごとに伝え方を最適化

営業、技術、総務など、他部署はそれぞれ求める情報や優先順位が異なります。相手の立場や業務内容を意識して、「伝えるべきこと」を選び、わかりやすく整理して伝えることが信頼される報告の基本です。

2. 「連絡」は“スピード”と伝える相手が肝心

問題が起きる前に「先手」連絡

トラブル報告が遅れることで、他部署との信頼関係が損なわれるケースは少なくありません。「まだ大丈夫だろう」ではなく、「もしかすると影響が出るかもしれない」時点で一報を入れることが、管理職の責任ある姿勢です。

早期連絡によって、相手も準備・対応がしやすくなり、結果的に感謝される場面も増えます。

連絡相手の範囲を絞りすぎない

特定の担当者だけでなく、プロジェクトに関わるすべてのキーパーソンに情報を届ける意識が大切です。関係者への共有が漏れていたことで、後になって「聞いていない」「知らなかった」というトラブルが発生することもあるからです。

日頃から「誰に・何を・いつ・どのように伝えるか」を整理することは、新人だけではなく管理職にとっても重要なことです。

3. 「相談」では“自分の考え”を示す

相談に応じやすい呼びかけを

「少しだけお時間よろしいですか?」「ちょっと確認させてください」など、軽いトーンで相談を切り出す習慣が、日常的な連携の円滑さにつながります。

もちろん、部下から“相談しやすい空気”を作ることも、管理職にとっては大切な心構えです。

自分の考えを示して相談を

「どうしたらいいですか?」という丸投げ型の相談は、相手に負担を与えます。そこで、「こういう案を考えていますが、ご意見をいただけますか?」と伝えれば、相手を“巻き込む姿勢”が伝わり、前向きな対話が生まれます。

相談とは、単に解決策を求めるだけでなく、関係性を深めるコミュニケーションの場でもあるのです。

話し方教室の視点/酒井学院総長の一言

“信頼される報連相”とは、新入社員だけが学ぶもの。そう思っている方が少なくないようです。しかし、実際は、そうではありません。新人には新人の、中堅社員には中堅社員の、管理職には管理職の報連相があるのです。

特に、管理職に求められる報連相では”他部署との連携”が重要なポイントになります。つまり、「聞き手視点での伝え方」「伝える相手の範囲」「対話型の相談スタイル」を意識して行うことがとても大切です。

報連相とは単なる社内ルールではなく、信頼を築き、組織を動かすためのコミュニケーション技術なのです。どうぞ報連相スキルを磨き、さらなる連携の強化につなげ、そしてビジネスを成功に導いてください。

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