「部下のやる気を引き出す面談術:信頼を築く話し方の極意とは?」(1分間 話し方教室東京)


部下との面談――それは単なる評価や業務確認の場ではありません。本質は、「信頼を築き、やる気を引き出す対話の場」です。
上司の話し方ひとつで、部下の心は開き、行動が前向きに変わることがあります。逆に言えば、面談の進め方を誤ると、せっかくの機会が「ただの義務的な時間」になってしまうことも。

今回は、部下のやる気を引き出す面談の技術を解説します。

1. やる気を引き出す「質問力」

部下のやる気を高めるには、「気づきを促す問いかけ」が重要です。上司が答えを与えるのではなく、部下自身に考えさせる質問によって、内発的なモチベーションが引き出されます。

オープン・クエスチョン

「最近うまくいったことは?」「どんな工夫をした?」など、自由に語れる質問を使うことで、部下は自分の中にある思いや工夫に気づきます。オープンクエスチョンは、部下の主体性を引き出す質問力といえます。

プロセス・クエスチョン

「どこが難しかった?」「どうやって乗り越えたの?」といったプロセスに焦点を当てる問いは、部下に自己成長を自覚させます。
成功体験を言語化させることで、やる気と自信の両方を育むこともできます。

2. 信頼を築く「聞き方」

信頼関係があってこそ、部下は本音を語り、自発的に動き出します。面談では、話す内容以上に「聞く姿勢」が信頼構築の鍵となります。

「聞いている」ことを相手に示す

アイコンタクトやうなずき、短い相槌(「なるほど」「いいね」)を取り入れることで、部下は安心して話せるようになります。上司は、相手の話を「受け止める」ことを習慣化することが重要です。

共感的コミュニケーション

「失敗して悔しかったんだね」と相手の言葉を繰り返すだけで、部下は「理解してくれている」と感じます。この共感の姿勢が、信頼関係の土台となります。共感により信頼関係を構築できれば次の会話や指導がスムーズになるのは当然です。

3. 自ら動きたくなる「伝え方」

やる気は「命令」ではなく「納得」から生まれます。部下が自分の意思で動き出すための伝え方には、明確な技術があります。

提案型コミュニケーション

「こうしなさい」ではなく、「こうしてみてはどうかな?」という柔らかな言い回しは、部下の考える余地を残します。そうすることで、命令されたからやる、ではなく、自分で考えて決めたからやる、になるのです。つまり、自主性を引き出せます。

行動目標を数値化する

「頑張って」よりも、「今月は3件の顧客に新サービスを提案してみよう」と具体的に伝えることで、部下の中に「できそう」「やってみよう」という気持ちが芽生えます。行動目標を明確にすることは、やる気を行動に変える第一歩です。

話し方教室の視点/酒井学院総長の一言

面談は、話し方次第で「義務の時間」から「成長の時間」へと大きく変わるものです。部下のやる気を引き出し、信頼関係を深めるには、テクニックよりも「相手と向き合う姿勢」が大切になります。

その上で、質問、聞き方、伝え方を磨いていけば、面談は確実に成果を生む場へと進化します。

まずは、上記のポイントを意識して次の面談に臨んでみてください。いきなり、一辺に、全部は難しいでしょうから、一つ、一つで構いません。そうしているうちに、部下の変化を実感する日がやってくることでしょう。

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