管理職の話し方教室「チームの信頼関係を築くコミュニケーション」(1分間 話し方教室東京)


チームの生産性や結束力を高めるうえで、最も重要なのは「信頼関係」です。どれだけ優れたスキルを持つ人が集まっていても、互いを信頼していなければ、その力は十分に発揮されません。

特にリーダーやマネージャーにとって、信頼を基盤にしたコミュニケーションを実践できるかどうかは、組織全体の成果を大きく左右します。今回は、「信頼を築くためのコミュニケーションスキル」に焦点を当てながら、重要なポイントを紹介します。

1. 相手の話を聞く、受け止める

信頼関係の出発点は、「話す力」ではなく「聴く力」です。部下や同僚との関係を深めるには、まず相手の話をしっかり受け止める姿勢が欠かせません。

相手の話を遮らず最後まで聴く

自分の意見を言いたい気持ちをぐっとこらえて、相手が話し終えるまでじっくり耳を傾けましょう。途中で話を遮ると、「この人は話を聞く気がない」と感じさせてしまいます。

頷きやアイコンタクトを交えながら聴くことで、「理解したい」「受け止めたい」という誠意が伝わり、信頼の土台が築かれます。

適宜聞いた内容を要約して返す

「つまり、〇〇ということですね」と要点を返すことで、相手は「ちゃんと伝わった」と感じることができます。単に聞くだけ、聞きっぱなしではなく、適宜、聞いて理解したことを相手に伝える姿勢が、信頼につながります。

2. 自ら心を開き対等なマインドで対話する

メンバーが率直に意見を言えるチームには、信頼の空気が自然に生まれます。そのためには、リーダー自身が「心を開いた話し方」を実践することが欠かせません。

弱みを見せることで共感が生まれる

上司やリーダーが、過去の失敗や自身の課題について率直に語ることで、部下も自分の不安や悩みを打ち明けやすくなります。完璧なリーダー像よりも、「人間らしさ」があるほうが、メンバーは共感し、親しみを持ちます。

意見を否定せずに受け止める

上から目線で「それは違う」と言ってしまうと、相手は批判されたと感じてしまいます。代わりに、「なるほど、そういう視点もありますね。ちなみにこういう考え方もあります」といった柔らかい表現にすることで、会話の流れを壊さずに建設的な意見交換が可能になります。

言い方ひとつで、信頼感が壊れることもあれば、深まることもあるのです。

3. 言動の一貫性で「信頼」を積み上げる

信頼は一朝一夕には得られません。日々の言動の積み重ねが、信頼という無形の資産を形成します。

小さな約束もキチンと守る

「確認して折り返します」「金曜までに資料を送ります」といった日常の小さな約束を、確実に実行することが大切です。こうした誠実な対応を続けることで、周囲の人から「この人は信頼できる」と思われるようになります。

逆に、一度でも信頼を損なうと、取り戻すのは容易ではありません。

方針や指示には一貫性を持たせる

リーダーの言うことが日によって変わったり、突然の方針転換があったりすると、メンバーは不安になります。状況が変化するのは仕方ないとしても、その背景や理由をきちんと説明することで、納得感を持ってもらうことができます。

「言うことが変わっても、伝え方が誠実であれば信頼は揺るがない」──これは大切なポイントです。

話し方教室の視点/酒井学院総長の一言

信頼関係は偶然に生まれるものではありません。意識的なコミュニケーションの積み重ねによって築かれるのです。

リーダーは聞き方、伝え方、言動のあり方で信頼を築く。この視点は重要です。この視点を持つことが、チーム全体の力を最大限に引き出す鍵となることは確かです。

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