ぽかぽか陽気のいい時候となりました。皆さん、お元気ですね!
 この時期によく言われるのが「五月病(ごがつびょう)」です。大学受験も終わり、希望の大学に入学したのはいいのですが、その感激が薄れる頃におちいる無気力状態を五月病といいます。五月前後に多くなる症状ですので、その名がついています。

 思うに、「大学合格が最終目標だった人」が五月病にかかりやすいのではないでしょうか。合格の達成感もつかの間、合格が最終目標だったわけですから、入学後にやりたいことが決まっていません。そのために何をやるべきか路頭に迷い、自分を見失ってしまい虚脱状態に陥るのでしょう。就職した新社会人にも「五月病」がいると聞いています。

 五月病の本質は、「五月という月」にあるのではなく、「目標達成後に無気力になる状態」にあります。ですから、「燃えつき症候群」という言葉も同義語になるでしょう。

 五月病は、何も大学受験や就職に限らず、色んな場面でみられます。スポーツの世界にもありますよね。
 オリンピックに出場するのが夢(目標)で、それを達成してしまってから、その後の競技成績が全く振るわず、引退せざるを得ない人達。まだまだ活躍できる時期を何年も残しているにもかかわらずに。

 また、ビジネスの世界でも同じです。事業を立ち上げるために、一生懸命頑張ってきた人が、事業も軌道に乗ったある時期に事業意欲を急速に失います。これも五月病ですね。その結果 、事業もしぼんでしまいます。

 いずれにしろ、五月病(または、燃えつき症候群)の原因を、『目標の更新』ができないところにある、と私は見ています。

 人生では、いつも、目標を持つことが大事なのは言うまでもありません。そして、「今の、目標」達成のために努力しながらも、あわせて、「次の、目標」をにらんでいくことが肝心だと私は思うのです。
 「人生とは、目標を更新していくプロセスである。」これは、私のささやかな人生観の一つです。
 硬い話になりました。皆さんは五月病とは無縁の春をおおいにお楽しみ下さいませませ!

(C)酒井美智雄